音響制御用マイクロフォンの製作

マルチチップサービス(MICS)を用いた音響制御用マイクロフォンの製作を行なっている。ノイズ低減等の音響制御を行なうためには、入射音の特性を検出するデバイスが必要である。本研究では、入射音の検出用デバイスとして静電型マイクロフォンを採用している。静電型マイクロフォンは、振動板(電極)と固定電極板を細隙を隔てて平行に設置し、その間の電気容量の変化を検出するデバイスである。構造が簡単であり、周波数応答が安定な利点がある。

静電型マイクロフォンの概略図をFig.1に設計仕様をTable.1に示す。設計では、2kHz以下の低周波領域での使用を想定して共振周波数を約2.9kHzに設定した。振動板であるダイアフラムと固定電極板はMICSの3層ポリシリコン構造を用いて製作した。MICSによる製作プロセスをFig.2に示す。

プロセスの手順は以下の通りである。

@Si基板上にSi3N4をLPCVDにより成膜する。

APoly‐SiをLPCVDで成膜。

BPoly-SiをRIEによりパタ−ニング。

CPSGをAPCVDにより成膜。

DPSGをRIEによりパターニング。

EPoly-SiをLPCVDにより成膜。

FPoly-SiをRIEによりパターニング。

GPSGをAPCVD により成膜。

HPSGをRIEによりパターニング。

IPoly- SiをLPCVDにより成膜。

JPoly-SiをRIEによりパターニング。

KAu /Crを蒸着しAu /Crをウエットエッチングによりパターニグを行なう。最後にリリースを行いダイアフラムを形成する。

 

 

 

Fig.2 MICSによる静電型マイクロフォンの製作工程

 

 

Fig.1 静電型マイクロフォンの概略図

 

Table.1 静電型マイクロフォンの設計仕様