指先フォースセンサの開発

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我々の身の回りや産業界において、さまざまなロボットが活躍しているが、現在活躍している産業用ロボットは、数値制御、プレイバック制御などの位置制御で行われている。今後、バリ取り、研磨、精密組み立て作業など人間の感覚が必要となる工程で産業用ロボットを用いるためには、視覚、触覚など、外部環境を認識し、適応する知能ロボットが求められている。

現在、さまざまな触覚センサが用いられており、このなかでも、力覚センサによって得ることができる力覚量は、多指ハンドによるマニピュレーションにとって、最も重要な情報であり、ロボットに柔らかさを持たせるために、剛体アームに制御によってソフト的にコンプライアンスを持たせることが一般的に行われている。これは、力覚センサを用い、インピーダンス制御や力制御を行うことによって成されている。この力覚センサの計測精度を高めることによって、ロボットハンドの指先の柔らかさ、器用さの向上が可能となると考えられる。

安定した信頼性の高い力制御系を構成しようとすると、最適な制御を組むことに加え、精度の高いセンサが必要となる。ロボットの指先に触覚機能を付加することを考えた場合、把持物体の運動や把持状態を推定する上で必要な情報である接触点情報をより正確に把握する必要がある。そのため、センサは人間の手のように平面的な二次元形状に配置するのが理想的であると考えられる。本研究では、高密度実装が可能という点からマイクロマシニング技術を利用し、6軸力学量検出可能なアレイ状指先用力覚センサ(Fig.1Fig.2に本センサイメージ図と使用例を示す)の開発を目的として研究を行っている。

Fig.1 フォースセンサイメージ図________Fig.2 フォースセンサ使用例