ヒューマンインターフェイス中間試験問題2004年度

1.ヒューマンインターフェイスにおける概念モデルの重要性に関して説明せよ.
2.インターフェイスにおける対応付けの重要性を「電灯のスイッチ配置」を具体例に挙げて説明せよ.


解説

1.あらかじめ出題すると示していた問題であり,できて当たり前なので,厳しく採点している.事前に出すと言っているのであるから,きちんと準備しておけば4,5行しか答案が書けないはずがない.たった2行しか書いていない人までいて呆れた.どんなに内容が合っていたとしても,内容が少ないのでは不十分な説明であると判断した.また,レジュメの文章を丸暗記して書き並べた人も多かった.(講義の中で丸暗記は非効率だからやめなさいと言っているのに丸暗記をしているということは,講義を理解していないと考えて0点にすべきかもしれない?)このような解答は文章間のつながりが無く,文章全体として意味が通らず,きちんと説明しているとはいえないので,たとえ各文は合っていても減点した.多少間違っていてもいいから,理解した上で自分の言葉で説明していた人は,理解していることを理由に満点とした.試験の目的は「理解しているかどうかを判定する」ことであるので,丸暗記しても理解していないと判断されるものはそれなりの点しかつけないし,小さな間違いがあっても理解していれば満点にしている.この点は定期試験の勉強でも参考にして欲しい.この問題では「例を挙げて」とは書いていないが,講義の例を挙げて説明した人はほぼ全員満点であった.
なお,ヒューマンモデルと混同していた人が3名.また,アフォーダンスと誤解していた人,記憶の一般論と混同していた人なども意外と多く,驚いた.また,関係ない内容を書いている人は大幅減点とした.
平均点は15.8点/20点満点.ちゃんと講義に出て勉強していた人はほぼ満点が取れていると思う.一方,あらかじめ問題を教えているのに平均点がこの程度しかならないのは,なさけない.

2.「電灯のスイッチ配置」の例は講義を聴いた人なら覚えているはず.事実大多数の人が適切な例を挙げて説明していた.レジュメにも文章で簡単にではあるが載せている.例え授業を聞いていなくても,対応付けについて正しく理解していればわかるだろう.ただし,「対応付けの重要性」についてきちんと説明できている人はそれほど多くなかった.対応付けが適当でないとどのような問題がおこるのか,エラーや記憶,ラベルや印などをキーワードにしてきちんと説明できていれば満点とした.単に「使いにくい」ではあいまいすぎる.また,「物理的アナロジー」という言葉を使わなくともよいが,使うときれいに説明できるだろう.
平均点は13.7点/20点満点.


 なお,どうしても中間試験を受けられなかった人にはレポートを課した.本来なら中間試験を受けるべきところを受けないのであるから,中間試験以上に厳しく採点をしなければ中間試験を受けた人が不利になりかねないと考えている.ところが,中間試験の解答には裏表びっしり書いている人がいるのに対して,レジュメや参考書等を見ながら書けるレポートでせいぜい1,2枚しか書いてこないのには呆れた.試験問題よりも内容がある課題だったのにもかかわらずである.しかも「詳細に説明せよ」という課題であるのだから,よく考えて,考えうるいろいろな例を挙げてできるかぎり詳しく説明すべきである.書いた量で採点するわけではないが,どうやってもこんな熱心でないレポートでは半分(20点)もつけられない.レポート提出者の平均点はなんとか15点/40点満点.
 また,通常ならば定期試験を欠席する理由には到底ならない私的な都合で休んだ人もいた.本来ならば認めるべきではないかもしれないが,非常に厳しく採点することを前提にレポート提出を認めた.甘かったかなと反省している.

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Last modified: Mon June 21 2004