福祉インターフェイス論期末試験問題2025年度

1.宇宙のかなたにあるA星は大気の成分や気温などの環境が地球とそっくりであり,そこにすむ高等生物Xは人類とそっくりであったが,ただひとつXは記憶力が非常に低くて短期記憶で1〜2チャンクの内容しか記憶できないという点が異なっているとする.この星における使いやすいインターフェイスに関して考察せよ.
2.障害者や高齢者のための福祉機器を製作したり選定したりする際には、機能(すなわち、できなかったことができるようになること)を基準にするのではなく、QOL(Quality of Life)向上を基準にすべきである。具体例を1つ以上挙げて、この点を詳しく説明せよ。


解説

1.2023年度に出した問題である。2023年度の解説にはほとんどなにも書いていないとはいえ、問題ぐらいはみているだろうし、特に2005年度の解説までちゃんと見てくれていれば、簡単に解けたのではないかと思う。2023年度の解説では「こんなにできるのだったら採点基準をもうちょっと厳しくしておけばよかったと思った」と書いたのもあるし、2023年に出していて事前に考えている可能性が高いだろうから2023年よりは少しだけ厳しめに採点した。
 2005年度の解説に書いているが、「可視化」「フィードバック」「対応付け」「制約」のことしか書いていない人も結構多かったが、本質をついていないのであまり加点できない。なによりも「「外界の知識(または情報)」の重要性を書いてほしいが、それが書いていないのでは本質を理解していないのだなあと思ってしまう。「取扱説明書は役に立たない」と書いている人が意外に多かったが、なぜそう考えるのでしょう?逆です。覚えられないのだから取扱説明書は必携になります。もちろん取扱説明書の形ではない説明書きやヘルプでも構いません。「Xは記憶力が低いため、取扱説明書やスイッチのラベルなどといった外界の知識に頼る必要がある」と解答の最初に書いた学生がいたが、本質をついているので、この一文だけで17点加点している。その一方20〜30行書いているけど、本質がなにもわかっていないためにほとんど加点できなかった学生も多数いた。

平均点17.0点/30点満点。予想していたよりはるかに出来が悪い。2年前に出したと公開しているのだからもっとできていいはずである。ちゃんとできている人と全く理解していない人との差が大きい。満点は11%。その一方10点未満も25%いた。

2.2019年度など過去に何回か出している問題であるだけでなく、講義中に何度も強調して話したので、ちゃんと講義を聞いていれば書けるはず。題意の「機能が低くてもQOLが高まる方が重要である」「機能が高くてもQOLが下がるようならば問題である」ことを十分には説明してあれば加点している。しかし、講義で挙げた例を挙げている人がいかに少ないか、驚きます。もちろん講義で挙げた例以外でも構いませんが、講義で挙げた例以外でまともに説明できている人はほとんどいませんでした。講義の後半で一番伝えたいことだと言ってあれだけ講義で強調して説明したのに、聞いていないのですねえ。それとも聞いても理解できなかったのでしょうか?
 電動車いすは機能が高くて、手動車いすは機能が低いと書いている人も複数いましたが、間違っています。それぞれ対象者が異なりますから。また、適切な車いすを選びサイズを調節するのは、機能の話ですから、このことを書いた人も間違いです。使いやすさばかり強調している人もいましたが、使いやすさはQOLに影響しますが、もっと重要な因子がほかにたくさんあります。授業では触れていないトイレや風呂での尊厳に関して書いている人には少し加点していますが、大きな加点できるほど適切な説明をしている人はいませんでした。
 この問題は過去にも成績が悪かったのは事実ですが、それにしてもここまで出来が悪いとは驚きました。

平均点11.3点/30点満点。満点は8%の一方、10点未満が45%とひどい成績だった。


A+:4% A:18% B:28% C:28% F:23%。さすがに成績が悪すぎたので救済措置として60点以上という合格ラインを下げた。もしも60点以上としたら、合格者が37%しかでないところだった。その中で満点が1名いた。すばらしい!


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Last modified: JULY 29 2025