文学部 論理学概論I, 論理学概論II, 哲学英書講読C, 哲学英書講読D(哲学専攻専門科目)
論理学I, 論理学II(基礎科目)
経済学部・経営学部 哲学I, 哲学II(教職科目)
夜間主コース 文学部 基礎講読
lun | mar | mer | jeu | ven | |
1 (9h00-10h30) | 哲学I G C104 | 論理学I 清508 | |||
2 (10h45-12h15) | |||||
3 (13h00-14h30) | 哲学英書講読C 清541 | ||||
4 (14h45-16h15) | 論理学概論I 明83 | ||||
5 (16h25-17h55) | |||||
I (18h00-19h30) | 基礎講読 Y 啓324 | ||||
II (19h45-21h15) |
後期時間割
lun | mar | mer | jeu | ven | |
1 (9h00-10h30) | 哲学II G C104 | 論理学II 清508 | |||
2 (10h45-12h15) | |||||
3 (13h00-14h30) | 哲学英書講読D 清541 | ||||
4 (14h45-16h15) | 論理学概論II 明83 | ||||
5 (16h25-17h55) | |||||
I (18h00-19h30) | 基礎講読 Y 啓324 | ||||
II (19h45-21h15) |
講義内容・テーマ
論理学概論I・IIをつうじて、言語と論理の問題を中心に、現代哲学の特徴について基礎的な理解をえることをめざす。論理学概論Iでは、ヴィトゲンシュタインの『論考』とラッセルの確定記述理論を入口として、言語哲学の議論を理解するために必要な記号論理学のしくみにかんする知識を獲得することを目標とする。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部 命題論理と哲学:論理空間と命題
--ヴィトゲンシュタン『論考』の世界へ--
・『論考』の哲学と真理関数
1. 事実と命題--世界の表象としての言語--
2. 命題はいかにして意味をもつか--論理形式とは--
3. 有意味性の限界--すべての命題は要素命題の真理関数である--
・真理関数と命題論理
4-5. 真理関数の表現--命題論理の記法
6. 真理関数と推理
第2部 述語論理と哲学:文法形式と論理形式
--ラッセルの確定記述理論と名前の消去--
・主語-述語形式と論理
7. 主語と述語--伝統的論理の世界--
8. 名前と表示句--主語となりうるものは何らかの意味で「ある」のでなければならないか--
・述語論理と主語の消去
9. 変項と述語--不特定のものを代表する記号--
10. 限量のしくみ
11. 同一性と唯一性--確定記述の「確定性」とは--
12. 本当の名前を求めて--論理的固有名の探求--
評価方法・基準
授業の進行にあわせて、理解の程度を確かめる課題の提出を求め、その課題と授業への出席状況をもとに平常点で評価する。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
L. ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(法政大学出版局)
B. ラッセル、清水義夫訳「指示について」、坂本百大編『現代哲学基本論文集I』(勁草書房)所収。
その他
頭の中だけで考えるのでなく、考えのすじみちをかたちに表す習慣をつけよう。
講義内容・テーマ
論理学概論IIでは、「言語と実在」、「名前と対象」の関係を中心テーマとして、論理と言語にかかわる哲学的問題を、分析哲学の歴史的展開にそっておおづかみにみてゆく。そのことにより、現代哲学に特有の議論の主題と手法について、基礎的な理解をえることを目標とする。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部 分析哲学の初期における言語と実在の問題
1. 「指示」の二つのかたち(1)--名前と対象の直接対応:ラッセルの論理的固有名、『論考』の理想言語
2. 「指示」の二つのかたち(2)--意味を媒介にした指示対象の確定:フレーゲのSinnとBedeutung、ラッセルの確定記述理論
3. 初期分析哲学の底流--経験主義と形而上学批判:ムーア、ラッセル、ヴィーン学団
第2部 論理的経験主義批判と分析哲学の転回
4. ポパーと経験主義批判(1)--帰納の問題と論理
5. ポパーと経験主義批判(2)--反証主義と合理主義
6. 認識論主義への異議--クーンと新科学哲学
7. 像としての言語から活動としての言語へ(1)--文とその使用:ストローソンのラッセル批判
8. 像としての言語から活動としての言語へ(2)--言語行為と言語ゲーム
9. クヮインの全体論とプラグマティズム(1)--「経験主義の二つのドグマ」
10. クヮインの全体論とプラグマティズム(2)--存在論の相対性と名前の消去
11. 直接指示説--名前の復活
12. 分析哲学の歴史的動向:認識論的正当化から自然主義へ
評価方法・基準
レポートと平常成績で評価する。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
坂本百大編『現代哲学基本論文集I・II』(勁草書房)
クヮイン『論理的観点から』(勁草書房)
他、授業中に適宜指定する。
その他
論理学概論Iを履修済みであるか、独習その他により現代論理学の基礎を学習済みであることが望ましい。
テーマと授業目標
J. B. Schneewind (1930-) は、17-8世紀の西洋の道徳哲学の展開を、「自律」をキー概念として読み解こうとする。Schneewind の論は、大著 The Invention of Autonomy に詳しいが、この授業では、彼が編纂したアンソロジーへの序論により、道徳哲学の歴史と主要問題についての一つの一貫した見方に触れる。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1回 イントロダクション
著者について。テキストの構成。授業の計画。
第2〜4回 キリスト教の伝統と宗教論争
近世道徳哲学の主要な歴史的源泉の一つであるキリスト教の伝統を概観し、近世に引き継がれた問題を呈示する部分の読解。
第5〜7回 古代哲学の伝統
近世道徳哲学のもう一つの主要な歴史的源泉である古代哲学の近世における受容を記述した部分の読解。
第8〜9回 近世道徳哲学の出発点と主要問題
近世道徳哲学に特有の問題の端緒を、モンテーニュのうちに見、それらの問題を呈示した部分の読解。
第10〜12回 近世道徳哲学の諸学派
近世道徳哲学者たちを、4つのグループに分けて特徴づけた部分の読解。
評価方法・基準
授業への出席とテキスト訳読の担当による平常成績に、最終講義試験を加味して評価する。(レポートをもって試験に代える場合もある。)
テキスト
J. B. Schneewind (ed.), Moral philosophy from Montaigne to Kant, Cambridge University Press, 1990, Introduction.(プリントを配布する)
参考書
J. B. Schneewind, The Invention of Autonomy, Cambridge University Press, 1998.
その他
講読なのだから当然だが、出席はじめ平常の成績を重視する。
テーマと授業目標
Martha C. Nussbaum (1947-)は、著名な西洋古代哲学研究者であると同時に、社会問題についても、多方面にわたる発言をおこなっている。Cultivating Humanity において、彼女は、文化の多元性の教育を取り入れる大学改革を、「世界の市民」という古代以来の理念に基づいて擁護する。この刺激的な論争の書を題材に、哲学的伝統の今日的問題への関連性について考える。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1回 イントロダクション
著者について。テキストの構成。授業の計画。
第2回以降、つぎのようなテーマごとに区切って、テキストを読みすすめていく。
・第2〜3回 アメリカの大学をめぐる論争とキャンパスの現状:文化の多元性の教育は政治的に偏向しており、学問的にも正当性がないという批判に対して、各地のキャンパスにおける着実な改革努力を紹介する。
・第4〜7回 文化の多元性と世界の市民:文化の多元性の教育を、「世界の市民」の理念の今日的展開ととらえ、世界の市民が身につけるべき能力、したがってそのための教育の目標として、1.(ソクラテス的な)自己の批判的検討 2.普遍的な人間性の理解 3.物語的想像力の3つをあげる。
・第8〜9回 アメリカ大学におけるソクラテス的教育とそれに対する批判:合理的議論にもとづく自己の批判的検討という、第一の目標に即して、それに対する批判と、キャンパスの現状を紹介する。
・第10〜12回 ソクラテス的探究の民主主義にとっての重要性:民主主義社会における市民にとっての合理的議論の重要性を、『弁明』『国家』に描かれたアテナイの社会とソクラテスの活動に基づいて主張する。
評価方法・基準
授業への出席とテキスト訳読の担当による平常成績に、最終講義試験を加味して評価する。(レポートをもって試験に代える場合もある。)
テキスト
Martha C. Nussbaum, Cultivating Humanity: A classical defence of Reform in Liberal Education, Harvard University Press, 1997, Introduction and Chapter 1.(プリントを配布する)
参考書
アリストパネス『雲』
プラトン『ソクラテスの弁明』『国家』
その他
講読なのだから当然だが、出席はじめ平常の成績を重視する。
講義内容・テーマ
現代の論理学は、形式的な記号体系を道具として、論理、すなわち人間の思考のすじみちのありかたを解明しようとする。この授業では現代論理学の初歩を題材に、人間の思考のすじみちを規則的・体系的に取り扱う方法について考える。
具体的には、論理と思考の関係・論理を表現する記号体系のしくみとはたらきについて一般的な理解をもつこと、命題論理を中心に、現代論理学の記号体系の基本的なしくみを理解することを目標とする。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部 論理とは何だろうか
1. 論理とは何だろうか
--人間の心のはたらきが命題を内容としてもつこと。命題どうしの論理的関係。
2. 論理を表現する体系--記号の体系のしくみとはたらき。統語論と意味論。
第2部 命題論理のしくみとはたらき
3. 命題論理の表現のしくみ(その1)--命題変項と論理結合子(否定)。
4. 命題論理の表現のしくみ(その2)--論理結合子(条件、選言、連言)。
5. 命題論理を使った推理--論理的な可能性。矛盾と消去による推理。
6. 真理関数と命題論理の意味論(その1)--すべての式は真理関数を表す。
7. 真理関数と命題論理の意味論(その2)--すべての真理関数には、それを表す式が存在する。
同じ真理関数を表す複数の式。対偶則、ド・モルガン則。
8. 「論理的な正しさ」とトートロジー--推理と条件式の対応。妥当性と真理。
9. 分析と反証によるトートロジーの判定--式を偽とする条件の非存在。
第3部 さらに広がる論理の世界
10. 述語論理の表現のしくみ(その1)--個体変項、述語文字、集合とメンバー。
11. 述語論理の表現のしくみ(その2)--限量子(「すべて」と「ある」)、束縛変項、自由変項。
12. 論理へのふたつのアプローチとメタ論理的性質--モデル論と証明論、無矛盾性と完全性。
授業の方法
授業の進行にあわせて、理解の程度を確かめる課題の提出を求めることがある。
評価方法・基準
上記の課題と授業への出席状況をもとに平常点で評価するが、受講人数が多く、平常点による適切な評価が難しい場合には、他に筆記試験をおこなう場合がある。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
内井惣七『いかにして推理するか いかにして証明するか』、『真理・証明・計算--論理と機械』(いずれもミネルヴァ書房)
リチャード・ジェフリー、戸田山和久訳『形式論理学』(産業図書)
その他
頭の中だけで考えるのでなく、考えのすじみちをかたちに表す習慣をつけよう。
講義内容・テーマ
論理学Iにひきつづき、現代の論理学の基本を学ぶ。論理学Iでは、命題論理を中心にとりあつかったが、論理学IIでは、より表現力の豊かな第一階の述語論理を中心にとりあつかう。述語論理のしくみを理解することによって、論理学と数理科学や哲学的分析の問題との関連について学ぶ準備もできる。
具体的には、述語論理の表現のしくみの中で、最も重要な限量子のはたらきをマスターすること、それによって、述語論理のしくみを応用した哲学的分析について基本的な理解を得ることを目標とする。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部 述語論理をはじめる前に
1. 基本を確認しよう--記号の体系のしくみとはたらき。統語論と意味論。
2. 命題論理はやはり基本的骨格である--論理結合子と真理関数。
第2部 述語論理のしくみとはたらき
3. 述語論理の表現のしくみ(その1)--個体変項、述語文字、原子式、属性と関係。
4. 式の真偽を決定する条件(その1)--原子式の真偽決定。集合とメンバー。順番のある組。
5. 述語論理の表現のしくみ(その2)--「すべての」をふくむ推理。全称限量子。
6. 式の真偽を決定する条件(その2)
--全称限量式の真偽決定。「すべての」をふくむ推理の妥当性。
7. 述語論理の表現のしくみ(その3)--「ある」をふくむ推理。存在限量子。
8. 式の真偽を決定する条件(その3)--存在限量式の真偽決定。「ある」をふくむ推理の妥当性。
9. フレーゲ対アリストテレス--述語論理と提言三段論法。対当関係。存在仮定。
10. 式の真偽を決定する条件(その4)--モデルと論理的真理。
第3部 論理学の展開と応用
11. 哲学的分析への応用--ラッセルの確定記述の理論。
12. すべての真理は論理に帰着するか--論理主義、直観主義、不完全性、真理論。
授業の方法
授業の進行にあわせて、理解の程度を確かめる課題の提出を求めることがある。
評価方法・基準
上記の課題と授業への出席状況をもとに平常点で評価するが、受講人数が多く、平常点による適切な評価が難しい場合には、他に筆記試験をおこなう場合がある。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
内井惣七『真理・証明・計算--論理と機械』(ミネルヴァ書房)
リチャード・ジェフリー、戸田山和久訳『形式論理学』(産業図書)
その他
頭の中だけで考えるのでなく、考えのすじみちをかたちに表す習慣をつけよう。
講義内容・テーマ
哲学とはいったい何であり、なぜそのようなものが存在するのか。その答えの一端は、自分というもの、自分をとりまく他の人々や事物というものの知り難さ、測り難さということに求めることができる。人間の内面と客観的世界の関係という問題を導きの糸として、哲学的な思考への導入を図る。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
1. イントロダクション--なぜ哲学するのか。授業の中心テーマと計画。
2. 内面の発見--自分と自分でないものの区別。
3. 内面と外的世界--自分の内面に属さないものをどうして知りうるか。
4. 懐疑と自然主義--人間の知識に対する二つの視角。
5. 自己と他者--他人の心をどうして知りうるか。
6. 物と心--心をもつためには何が必要なのか。
7. 脳と心--脳と心は同じ物なのか、別の物なのか。
8. 心と法則--物理法則は心を説明するか。
9. 志向性の問題(1)--ことばの意味はどこから生ずるか。
10. 志向性の問題(2)--思考の意味内容はどこから生ずるか。
11. コミュニケーションの問題--なぜ、ことばを使って分かり合えるのか。
12. 終わりなき旅--すべてが分かってしまうことはあり得ない。
評価方法・基準
平常成績および最終試験で評価する。
テキスト
トマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと?』(昭和堂)
参考書
授業中に適宜指定する。
その他
答えを出すことよりも、疑問をもつことを大切にしたい。毎回の授業の最後に、少なくとも3つの疑問を紙に書いて提出してもらう。
講義内容・テーマ
人間としてこの世に生まれ、生きていることにどんな意味があるのか。自由・善悪・公正・死という実践哲学の諸問題を手がかりに、人間という存在の世界における位置について考える。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
1. イントロダクション--人間は特別な存在か。授業の中心テーマと計画。
2. 「意志の自由」--人間の行動は自然法則の支配を免れるか。
3. 自由・決定・道徳的責任。
4. 正しいこととはどういうことか。
5. どうして正しくなければいけないのか。
6. 正しいこととは誰にとっても同じか。
7. 社会的公正とは何か。
8. いかにして公正を実現するか。
9. 死ねば全部おしまいか。
10. どうして死ぬのは恐いのか。
11. 人生に目的はあるか。
12. 人間は自然の中で特別な存在ではないかもしれない。しかし。
評価方法・基準
平常成績および最終試験で評価する。
テキスト
トマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと?』(昭和堂)
参考書
授業中に適宜指定する。
その他
答えを出すことよりも、疑問をもつことを大切にしたい。毎回の授業の最後に、少なくとも3つの疑問を紙に書いて提出してもらう。
講義内容・テーマ
近代の哲学の原点に位置するデカルトの著作を主な題材として、哲学の基本問題にかんするしっかりした理解を身につけることを目指す。前期は、1. 方法論および認識論、2. 形而上学および自然学、3. 人間論および道徳論という3つの主要なテーマにそって、デカルトのテクストの読解をおこなう。それと同時に、随時提出を求めるエッセイ(小論文)、夏休みの宿題レポートを通じて、理解した内容や自分の見解を文章にまとめる力をつける。後期は、教室での口頭発表や討論に重点を置いて、個別的なテーマについて理解を深める。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
前期
1. イントロダクション--授業の中心テーマ、方法と計画の紹介。
2-5. 方法論および認識論--懐疑と確実性の探求。
6-9. 形而上学および自然学--神・人間・世界。物体と精神。
ここまでは、主として『方法序説』『省察』をとりあげる。
10-13. 人間論および道徳論--意志と情念(感情)。自由の問題。
主として『情念論』をとりあげる。
後期
宿題レポートで各人がとりあげたテーマについての口頭発表と討論を中心におこなう。関連するテクストの読解など、その他の活動も随時交えていく。
評価方法・基準
前期の出席・エッセイなど平常点25%、夏休みの宿題レポート25%、後期の口頭発表および平常点25%、後期末レポート25%の比重で評価する。
テキスト
『世界の名著27 デカルト』(中央公論社、中公バックス)
参考書
野田又夫『デカルト』(岩波新書)他、授業中に適宜指定する。
その他
教室での活動に積極的に参加することを期待する。