式の分析による推論の妥当性の判定
* 「妥当性」って何?(再)
推理の形式的な正しさ:前提と結論がちゃんと論理的につながっていること
≠命題の内容的な正しさ:表現している意味・情報が事実と一致している(=真である)こと
形式的に正しいと同時に、内容的に正しい前提から出発する推理は、健全である
* 式の分析
(例)「ある源氏物語研究者は英語を話す
すべての英国人は英語を話す
ゆえに、ある源氏物語研究者は英国人である」
述語論理の記法で表現すると
'(∃x)(F(x)&G(x))
(∀x)(H(x)→G(x))
ゆえに(∃x)(F(x)&H(x))'
妥当性を判定するには、結論の否定を作り
〜(∃x)(F(x)&H(x))
これと二つの前提からなる式の組が矛盾を含むかどうかを調べる
詰まり、(∃x)(F(x)&G(x))、(∀x)(H(x)→G(x))、〜(∃x)(F(x)&H(x))
は矛盾を含むか?
* 分析の手続き
1. '〜(∃x)'、'〜(∀x)'は、'(∀x)〜'、'(∃x)〜'に変換
2. 限量子を外す
i. '(∃x)'ではじまる式は、一つ一つ、'x'を'a'、'b'等に置き換える
ii. '(∀x)'ではじまる式については、出てくる'a'、'b'等について、'x'をそれらに置き換えた式を全部作る
あとは命題論理の知識を活用して
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