式の分析による推論の妥当性の判定(続き)


* 妥当性の判定
手続きの大枠:結論の否定を作りそれともとの前提からなる式の組が矛盾を含むかどうかを調べる
矛盾を含むということは、前提がすべて真である場合、結論の否定は成り立ちえない、つまり、結論は必ず真であるということ

* 分析の手続き
'〜(∃x)'、'〜(∀x)'は、'(∀x)〜'、'(∃x)〜'に変換
限量子を外す
i. '(∃x)'ではじまる式は、一つ一つ、'x'を'a'、'b'等に置き換える
ii. '(∀x)'ではじまる式については、出てくる'a'、'b'等について、'x'をそれらに置き換えた式を全部作る
'a'、'b'等は、不定な個体を代表する記号、いわば仮の名前
仮の名前を与えられた個体が満たすべき条件が、矛盾なく満たされうるかどうかをチェックする

* 本当の名前を含む推論についても、同様の手続きで妥当性の判定が行なえる
「いかなる猫型ロボットも人間ではない
ドラえもんは猫型ロボットである
ゆえに、ドラえもんは人間ではない」

「カツオはワカメよりも年上である
サザエはカツオよりも年上である
ゆえに、サザエはワカメよりも年上である」
(隠された前提は何か?情報の構造をヴェン図で表わせるか?)

論理学II 課題2

以下の推理の形式を、述語論理の記法で表わし、それぞれの推理が妥当であるかどうか述べなさい。

1.「すべてのシェイクスピア研究者は英文学研究者である
すべての英文学研究者は文献学者である
ゆえに、すべてのシェイクスピア研究者は文献学者である」

2.「すべてのシェイクスピア研究者は文献学者である
すべてのギリシア文学研究者は文献学者である
ゆえに、すべてのシェイクスピア研究者はギリシア文学研究者である」

3.「すべてのシェイクスピア研究者は文献学者である
すべての英文学研究者は文献学者である
ゆえに、すべてのシェイクスピア研究者は英文学研究者である」

4.「すべてのシェイクスピア研究者はギリシア文学研究者である
すべてのギリシア文学研究者は文献学者である
ゆえに、すべてのシェイクスピア研究者は文献学者である」

5.「あるシェイクスピア研究者はギリシア語を話す
すべての英国人はギリシア語を話す
ゆえに、あるシェイクスピア研究者は英国人である」

6.「あるシェイクスピア研究者はギリシア語を話す
いかなる木星人もギリシア語を話さない
ゆえに、あるシェイクスピア研究者は木星人ではない」

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