関係を含む推理


* 推移的な関係

「サザエはカツオよりも年上である
カツオはワカメよりも年上である
ゆえに、サザエはワカメよりも年上である」
この推理ができるのは、「xはyよりも年上である」が推移的だから

関係Rが推移的であることは、つぎのように表わされる
(∀x)(∀y)(∀z)((R(x, y)&R(y, z))→R(x, z))

上の推理が形式的に正しいことは、つぎのようにして確かめられる

前提と結論の否定は、つぎのような式の組として表わされる
R(m, n), R(n, o), 〜R(m, o)
関係Rの推移性を表わす式に、普遍限量子を外す操作を繰り返し適用すると、次の式がえられる
(R(m, n)&R(n, o))→R(m, o)
これら4つの式の組が矛盾を含むことは明らかである

* 関係の性質

推移性のほかに、関係が持つ興味ある性質としては、つぎのようなものがある

非推移性(∀x)(∀y)(∀z)((R(x, y)&R(y, z))→〜R(x, z))例)親である
対称性 (∀x)(∀y)(R(x, y)→R(y, x))例)同じ年齢である
非対称性(∀x)(∀y)(R(x, y)→〜R(y, x))例)より小さい
反対称性(∀x)(∀y)((R(x, y)&R(y, x))→x=y)例)≦
反射性(∀x)R(x, x)例)同一である
非反射性(∀x)〜R(x, x)例)異なる

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