見知りと記述:ラッセルによる知識と意味の理論
ラッセル(Bertrand Russell, 1872-1970)
大衆に向けた言論活動をつうじた社会批判・平和運動
哲学においては、状況に依存しない不滅の真理を追究
知識と意味は、真理という概念を介して結びつく
知識とは、正当化された真なる信念(ドクサ)である
文の意味(Sinn)(=命題)を世界の実際のあり方と照らし合わせることによって、その真理値(Bedeutung)が決定される。
意味と知識の究極的素材:見知り(acquaintance)の対象
「センス-データ」など、17-8世紀の哲学者がいう「観念」に対応するもの
普遍を見知りの対象とするところに、ラッセルの特異性
見知りによる知識から、言葉の意味の理解、命題的な内容をもつ知識が組み立てられる
記述(description)による知識
言葉の意味を媒介として個物を思考によって把握し、表現する
「…であるものがただ一つ存在する」
⇔「…であり、それ以外のものは…でないようなものが存在する」
文献
中村秀吉訳『哲学入門』(社会思想社、現代教養文庫)(The Problems of Philosophyの訳)
清水義夫訳「指示について」(坂本百大編『現代哲学基本論文集I』勁草書房刊に所収)('On Denoting'の訳)
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