中間的まとめ:永遠なものと過ぎ去るもの


* プラトン以来の図式
永遠なもの、つねに変わらず確実にとらえられるもの
=普遍(イデア)、知性の対象
過ぎ去るもの、絶えず変化し確実にはとらえられないもの=個物、感覚の対象

絶えざる流転の中にある生の苦しみを超越しようとする志向
(ヘラクレイトス「すべては流れる」、鴨長明「行く河の流れは絶えずして」)

* 20世紀におけるプラトンの末裔
永遠なもののすみかを、公共的な言語の意味や、客観的な科学の法則に求めた
観念の最盛期から、意味の最盛期、文の最盛期へ(ハッキング『言語はなぜ哲学の問題になるのか』)
主観による相違や、状況への依存を免れた科学的言語の構築へ

* しかし
現実存在する個物をとらえる思考から、状況依存性を消去できない
ラッセルにおける見知りと記述の問題
物の名前を、性質の記述に置き換えようとするが、個物への指示を消去できない
名前と結びつけて理解された「意味」が、個人の経験の文脈から離れられない
(『哲学入門』第5章)

普遍的概念にも入り込んでくる状況依存性、非完結性
帰納の問題
理論的概念の意味の変化、いわゆる「不可共約性」
(クーン、ハンソンらの「新科学哲学」、クーン『科学革命の構造』、ハンソン『発見のパターン』)
Cf.規範的概念の歴史性(「自然法」「人権」)
論理学概論IIL 中間課題

つぎの二つの主張について検討し、その内容を2000字程度でまとめなさい。
「ことばの意味は、客観的に確定しており、すべての人にとって共通である。」
「ことばの意味は、主観的に定められるものであり、個人によって異なっている。」

* 注意事項
* A4判用紙に横書きとし、左肩をホッチキスで綴じること
* 最初に学生証番号と氏名を明記すること。
* ワードプロセッサ等を使用する場合は、行間を広くとり、大きなフォントで読みやすく印字すること。(12ポイント、1ページあたり30行前後が望ましい。)
* 手書きの場合は、横書き原稿用紙を用いること。
* 提出期限は12月3日の授業時とする。

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