SORIS SYSTEM

SORIS =
  SOR-Photoelectron Spectroscopy
  Combined with Ion Scattering


SOR(SRとも言う)とは、蓄積リング(AURORA)の中で電子をほぼ光速度で加速度運動させ、その際に電子軌道の接線方向に発生する高輝度な連続光(放射光)を取り出し、利用できるようにした装置です。立命館大学では、私学として初めてSRが導入され 1997年から運転を開始しています。

SORIS SYSTEMは、
「MEIS(中エネルギーイオン散乱)とSR-PES(光電子分光)を結合し、固体表面を総合的かつ高分解能で分析する」

という城戸教授のコンセプトの下にデザインされました。

SORIS SYSTEMは他にもたくさんの装置で構成されており、 現在も拡張・改良がなされています。
(近日中に反応室をセットアップ予定)

以下では一部ではありますが、細かな要素を紹介します。
(画像はクリックで拡大します)


MEIS

MEIS =
  Meddium Energy Ion Scattering
  中エネルギーイオン散乱


中エネルギーイオン散乱は、数10keV〜数100keVに加速させたイオンを固体表面に入射し、散乱されてくるイオンのエネルギーや角度分布を測定することで、固体表面の原子配列や組成分析が実空間で決定できます。

エネルギー分析器としはトロイダル型静電分析器を用いています。そのエネルギー分解能は、この型では世界最高のΔE/E=9×10-4を有し、原子層ごとの散乱成分を分離して取り出すことが可能です。


エネルギー分析器 トロイダル型静電分析器
イオン種 H・He・Ne
エネルギー範囲 5〜150 [keV]
分解能 ΔE/E=9×10-4
真空度 2.0×10-10 [Torr]
ビームサイズ 0.2×2 [mm2]
ゴニオメーター 回転3軸、並進3軸
昇温(RT〜500 [℃])


MBE & RHEED

MBE =
  Molecular Beam Epitaxy
  分子線エピタキシー


RHEED =
  Reflection High Energy Electron Diffraction
  高速反射電子線回折


K-Cell Si・Ni・Au
真空度 4.0×10-11 [torr]
ゴニオメーター 回転2軸、並進2軸
昇温(RT〜1000 [℃])

試料作成チャンバー

真空度 1.0×10-10 [torr]
Arスパッタ装置 〜1.5[kV]
赤外線加熱装置 RT〜1200 [℃]
ガス導入装置 16O・18O・NO・N2