王陽明墓
浙江省紹興にある。王守仁(1472-1528)は号が陽明子、人々から陽明先生と呼ばれ、日本でも王陽明の名で有名な明代の学者。陽明学は朝鮮半島や日本にも大きな影響を与えた。

この墓は明の嘉靖八年(1529)に建設され、清代に何度か修復されている。

朱子学に凝って竹に理を見出そうとして気を病んだり、龍場で悟ったりして激動の人生だったよね。軍事面での功績も大きくて期待されていたようだったから、苦労はなおさらだったようだ。痩せた肖像画からそれが窺える。

ぼくも直接会ったことはないけれど、当時頑張っている人がいると噂には聞いていたよ。無理がたたったのか遠征から戻ってくる途中で亡くなったそうだ。
お参りしておこう。
 
古繊道

浙東運河の中、紹興から蕭山に至る間に続いている道。現在残っているのはその一部分。最初に建設されたのは唐の元和年間というからもう1200年余り経っていることになる。明・清代の修復を経て、最近では1989年にも修復されて今に至っている。

まっすぐ水上に浮かぶこの姿から“白玉長堤”の別名もある。

まるで水に浮いているかのようだね。

徐渭墓

昨日訪れた青藤書屋の徐渭の墓地。
紹興市郊外の蘭亭鎮にある徐家の墓地園内にある。

右の墓碑は徐渭が父親の徐鏓(そう)のために書いたもの。父の鏓は字が克平、竹を好み“竹庵主人”と称した云々と書いてある。

墓園の入り口。

このお墓は1989年に修復されたもの。「明徐文長先生」の文字は現代の書家の手によるそうだ。

墓前には誰かが供えた鉢植えが置いてあったよ。
芸術家の徐渭に相応しいね。

蘭亭

紹興郊外の蘭渚山のふもとにある。春秋時代に越王勾践が蘭を植えたことにちなんで命名されたという言い伝えがある。東晋の永和九年(353)当時の名士による蘭亭の会で王羲之(303-361)が書いたという「蘭亭序(蘭亭集序)」は有名だね。真筆は今も唐の太宗李世民のお墓に眠っているという噂だけど、本当かな。

現在の蘭亭は明の嘉靖年間に修復されたもの。今は公園として整備されていて、「蘭亭」碑をはじめ、王羲之にちなんで書法博物館や習字の練習ができる場所もあるよ。 

惜しむらくは季節のせいか川の水がいまひとつ。良い季節に来たらもっと風景が楽しめるよ。

山東省の臨沂市にも王羲之紀念公園があって近年建設された巨大な「蘭亭序」の石碑があるんだけど、そこの売店で「蘭亭序」マグカップが売られていて、買おうかどうしようか迷ったことを思い出したよ。結局買わなかったけど。

墨華池と墨華亭。回廊の壁には唐宋以来の有名な書家による「蘭亭集序」の石刻があるよ。

胡雪岩故居
杭州市河坊街の歴史保護地区にある。
故光墉(1823-1885、字は雪岩)は清代の豪商で、左宗棠を援助した人物。中国では小説やドラマの題材にもなっているよ。

この邸宅は清同治十一年(1872)に建設されたもの。各地から集めた貴重な材木を惜しみなく使用し、豪華な造りとなっている。

調度品にも精巧な細工が施され、庭園内の地下には人工の洞窟などもあり、贅を尽くした豪邸。如何に金持ちだったかが窺い知れるね。

立派な建物。
 
こんな広い家に住んでいたら迷いそうだよ。
 さてこの旅もこれで終わり。ぼくはみんなが待つ日本に帰ることにしよう。

今回行った浙江省をはじめ、まだまだ中国には名勝・史跡がたくさんあるよ。
予習していくと楽しみが倍増するよ。
皆さんも機会があったら是非行ってみてね。

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