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2023/7/1

No.98「鯖男爵とモルヒネ女王の秘密」
●2002年卒業:松本 大さん

大学での希薄な人間関係に疑問を持ち

「たった1つの」「唯一の」「オンリーワン」「独断」「マイノリティ」「孤独なカウボーイ」etc そういった言葉に憧れを抱いていた、若き日21歳の私。“あの日の私”は今の私にどんな評価をするのでしょうか?

「いや、絶対ナイスですー!」と言うと思う・・・

思うどころか、そう言うに違いない!と確信しています。

 

 大学では一時的なコミュニティで学ぶことが多くなります。授業が一緒、ゼミが一緒など、一時的な集団での自分の位置取りを学ぶことは協調性に繋がり、その後の社会で大いに役立ちます。しかしながらそれは希薄な人間関係と感じていた私は、最初そんな人間関係に戸惑い、「友達できないやん」と思っていました。

 それでも英語の授業で同じクラスになった〇〇さんと出会うことで、うわべじゃない本当の友達が初めて大学で出来ました!

友との遊びから築いたアイデンティティ

 〇〇さんとの過ごし方は、ベンチに座り、ひたすら通る人にあだ名をつけていくということを2時間ぐらいするという“大人”の遊びでした。

 それが底のない深淵ということも気付かずに・・・この遊びをしていたことで「言葉に囚われすぎて永遠の孤独へ編」や、「〇〇さんゴミ嫌いすぎて彼氏に毎回捨てさせ破局へ編」というスピンオフ的な思い出話があるのですが、それは来店された時にでも尋ねてみてください!

 

 そんなこんなの大学での言葉遊びの根幹が自分のアイデンティティとなり、自分の店を持つ時に、店名という人生最大の大名付け「鯖男爵とモルヒネ女王」へと繋がっていきました。

ゼミや授業で得た知識が社会に出て活かされた結果

 ゼミでマーケティングを学んでいた私は、飲食店は品質の高い1店舗より、視認性が高くてコストパフォーマンスのいいチェーン店の方が社会的に成功と言えることを知りました。しかし「それでは夢がない!個人の戦いは無意味じゃない!」と疑問に思い、自分の店は飲食業界に一石を投じる、いわゆる“ヤバい”店にしようと決心したのです。

 視認性はインパクトを重視することで、社会性や協調性を重要視しないある意味敷居の高い店というコンセプトの元、まずは店名に取り組みました。

 店名を決めるうえで以前から決めていたのは「〜男爵と〜女王」というワードで、これは、やなせたかしのアンパンマンからヒントを得ていました。

 後はどの単語を「~」内に入れるかですが、これには相当苦労しました。

 

 心理学的には人はエロスを感じる言葉に惹かれるらしいというのと、キャッチコピー学的には、ひらがな漢字カタカナ全てが入っていて、前半は短く、後半は流れるような言葉がいいというのを知り、いろんな単語を「男爵」と「女王」の前に当てはめていきました。

 

そして、

 

鯖男爵・・・なんかエロスが強くて漢字で短い

モルヒネ女王・・・なんかエロスが強くてカタカナで長い

 

ということで、店名が決定したのです。

 

結論としては、

・在学時のマニアックな遊びからのアイデンティティ形成

・ゼミでの日本の産業社会的な固定観念真理の学び

・独創的なものへの渇望

以上が店名を誕生させた軌跡でしたが、それは“今の私”を育んだ軌跡でもあり奇跡でした!

思えば「ガンダムと社会現象」というテーマで論文も書いたし“産社って自由でなんかいいよね”という言葉に尽きると思います。

私のように孤独を愛する寂しがり屋や、独創的な飲食店やりたい人、“なんか”社会で目立ちたい人(もちろん合法的に)は・・・

ぜひ、さんしゃへ!!!

●松本 大(まつもと ふとし)

卒業年月日 2002年3月 卒業
出 身 地 和歌山県
現 住 所 大阪府
勤 務 先 鯖男爵とモルヒネ女王の秘密(飲食店・自営)
ゼ ミ 名 竹濱朝美先生
所属サークル
団 体
中山サークル