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2013/6/21

No.20「『放曠(ほうこう)の心 -物事にこだわらず、心のおもむくままに」
●1981年卒業:石本 千歳さん

人生の転機を「放曠(ほうこう)」の心で

 今回は1981年卒業の作家、石本千歳さんをご紹介させていただくのですが、ご本人に代わり校友会HPスタッフが書かせていただきます。

 学部時代に広報出版部に所属されるなど、活発な学園生活を過ごされていました。その中で「書」でいう「放曠(ほうこう)」の心を学ばれたそうです。「放曠(ほうこう)」とは、物事にこだわらず、心のおもむくままに振舞うことだそうです。その言葉が、卒業後の石本さんに訪れた大きな転機を乗り越えてこられた、原動力になられたのではないでしょうか。

 40代のまさに働き盛りの時、塾の先生をされていた石本さんにそれは起こりました。鳥取市内に借りていた自室で脳梗塞がおこり、誰にも気付かれず十数時間の間、意識がありながら身体が動かない状態で倒れられてしまっていたのです。

 連絡の無いことに心配されたご両親と大家さんに発見され、奇跡的に一命を取り留められましたが、やはり後遺症により身体の右側が動かず、会話も困難な状態になれました。

いま、創作活動が嬉しくて楽しくてたまらない。

 しかしその後、石本さんの明るく前向きな強い意志で入院・リハビリを重ね、2012年7月には念願の個展を開催されました。兼ねてから書道をされていたとはいえ利き手が不自由になったため、とてつもない努力を重ね、現在のようなすばらしい左手の書と絵を生み出されました。

 今年もちょうど7月12日から鳥取市内のギャラリーで個展をされるそうです。「言葉にならない思いのすべてを左手にたくし」、「いま、創作活動が嬉しくて楽しくてたまらない。」その感性あふれる個展、是非お時間あればご高覧ください。今回の掲載にあたり石本さんとのやりとりの中でいつも「さんしゃびと ありがとうございます 感謝です。」とおしゃっていた石本さん。「すべてに感謝」その言葉に私たちスタッフは、とても励まされました。石本さんに「感謝」。また石本さんをご紹介いただきました、校友の岸田京子さま (第21回参照) にもこの場を借りまして「感謝」をお伝えしたいと思います。

創作家 いしもと ちとせ

 最後に石本さんからの校友、在学生のメッセージとして作品を紹介させていただきます。

 石本さんより

「絵、書、因州和紙、抽象画で書きました(墨、顔彩、因州和紙)見てください 『感謝』です ありがとうございます」

●石本 千歳(いしもと ちとせ)

卒業年月日 1981年3月 卒業
出 身 地 鳥取県
現 住 所 鳥取県
勤 務 先 -
ゼ ミ 名 小林幸男ゼミ
所属サークル
団 体
広報出版部