2013/11/25
こんにちは。2010年度に産業社会学部の子ども社会専攻を卒業しました、中澤友子と申します。現在は京都市立の小学校に勤務しています。この度は母校の紹介をする機会をいただき、心から嬉しく思います。
ふりかってみれば・・一回生の私たちは正直言って生意気だったと思います。専攻の名前からして「先生になる!」と意気込んだ人が集まって勉強するものと思っていたところもあり、想像との違いに入学当初は驚かされました。さすが個性の集まり産業社会学部!とでもいえばいいのでしょうか。専攻の必修科目であっても他の専攻と入り交じりながら講義を受けることが多く、目指す将来像もスポーツ選手からミュージシャン、コメンテーターと様々で、自分が何専攻に入ったのか忘れそうになりました。しかも何をするにもバイタリティーに満ちていてイベントやサークル・部活動に精を出している人が周囲に溢れていました。
刺激的だけれど、いろんなことに目移りする自分達が不安で、同回生で連れだって教授に「このままのペースで勉強して大丈夫なのだろうか。先生になるためにもっと専門的なことを学ばせてください。」と話しに行ったことを覚えています。将来教員となれた時に何を教えることが出来るのか、それをはっきりと与えてほしがっていたのかもしれません。
でもある時、この専攻の設立について教授が仰いました。「なぜこの専攻が産社にあるのか。考えるとおもしろいでしょう」私はこの言葉で産業社会学部をさらに好きになったと思っています。大学は知識や思考や歴史やなんやかんやで溢れているけれど、それを一方的に教わる場ではありません。ましてや、ボーっと待っていても何を学ぶべきか誰も教えてはくれません。けれどそれは、私たちが生きる社会も同じ。多様な考え方があって、いろいろな価値観が溢れていて、その中で自分を確立していく。その過程でたくさんの人に出会うことができるのです。それがおもしろいし、得た知識と同じくらいに出会いが自分を作っていく。ここでの四年間は今まで教育を受けてきた側としての学びを主体的に再構築するためにあるのかもしれないと思いました。
そう考えてみると産業社会学部の講義は、とても興味深いものばかりでした。「何を以て道徳か」「算数を通して育む力」「地域コミュニティと建築」などなど、一見バラバラの趣旨の科目が子ども、ひいては社会・未来につながっていく材料に思えました。
教育って何だろう?教科教育の専門性だけではなく「教育とは社会で生きる人間をつくること」それを考えさせてくれた産業社会学部に、今わたしはとても感謝しています。
現在わたしは社会人三年目。力不足をはがゆく思うこともありますが、日々出会う子どもたちやおうちの方をはじめ職場の先生方、地域の方々が私に今でも「教師」とは何であるかを説いて下さっている気がします。大学での学びを活かしきれるよう今後も仕事に励んでいきたいと思います。
●中澤 友子(なかざわ ともこ)
卒業年月日 | 2011年3月 卒業 |
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出 身 地 | 京都府 |
現 住 所 | 京都府 |
勤 務 先 | 京都市 |
ゼ ミ 名 | 伊藤隆司ゼミ |
所属サークル 団 体 |
交響楽団 |