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2014/1/29

No.27「『百聞は一見に如かず』の学びから得たもの」
●2010年卒業:山崎 裕也さん

「社会調査士課程」を学び

 産業社会学部の皆さん、卒業生の皆さんこんにちは!2010年卒業の山崎と申します。

 産業社会学部らしい学び、「社会調査士課程」についてお話したいと思います。社会調査士課程とは、社会の様々な事象に対しアンケート調査を通して量的かつ統計的に分析する手法や、インタビューなど実際に対話しながら質的に分析する手法、またその歴史や調査そのものの遂行方法などを体系的に学ぶことができる課程です。

 その中の実践型少人数クラスでは、実際に調査テーマを掲げ、講義で学んだ知識や手法から自分たちで調査に効果的なものを選定し行っていきます。

今の世で、この上ない武器になるものは。。。

 私たちは、担当の先生のご縁から高知県安芸市高齢者生活実態調査と題し、高知県安芸市にお住まいの高齢者の方々にアンケート調査とインタビューを行い、高齢者の方々が困っていること・満足していること・市や県に求めるものなど多種多様な観点から高齢者生活に求められるものに迫りました。2年半にわたる調査の成果を調査報告書として体系的にまとめ、調査対象地である安芸市でのプレゼンテーションを実施するに至り、調査結果報告会にはたくさんの関係者の皆さんが集まってくださいました。

 この体系的な学びを通して得たものは、『自分の脚で求め自分の五感で得た情報はなにものにも代えがたい』ということ。実際に現地を訪問して気づいたこと、感じたことがたくさんあり、事前の下調べで自分が分かった気になってしまっていたことを思い知りました。まさしく現地には人間の温かみのある生活があり、雄大な自然がありました。「この地で少しでも満足した生活を実現するには?」このような永遠のテーマに対し、学生である私どもが少なからずお手伝いできたことに今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

 この世の中、街中でも手持ちのスマートフォンでweb検索をすればいくらでも情報が手に入る便利な世の中になりました。画面を通して得る情報は膨大ですが、果たしてどれほど自分の身になっているのでしょうか。このような時代だからこそ、自分の脚で得るまさに“質の良い”情報を得ることの重要性が高まっており、そのためのフットワークの軽さはこの上ない武器になるのではないかと感じます。

卒業した今、息づく「さんしゃDNA」

 卒業して数年たった今でもビジネス面では、実際に現場に足を運んで機器の状態を確認したり、メールや電話で済ませがちな連絡も時間を見つけてface to faceで会ってお話をしたり、学部時代に培われたDNAはしっかりと受け継がれています。産業社会学部では、“アクティブラーニング”と称して実際に街に出て講義の知識を活用したり、また街中の建造物に触れたりする学問を奨励してくださっています。知識だけではない、人として社会に出た時の礎を築くのに社会調査士課程で得たものは大きかったと思っています。「求めよ、さらば与えられん」という有名な言葉がありますが、この社会調査士課程だけでなく、産業社会学部は自由に体を動かして学びたいという人に様々なプログラムが用意されています。学部生の皆さんはぜひそれらを活用して、社会に通用する自分だけの翼を得てみてはいかがでしょうか。

●山崎 裕也(やまざき ゆうや)

卒業年月日 2010年3月 卒業
出 身 地 福井県
現 住 所 千葉県
勤 務 先 JALインフォテック
ゼ ミ 名 池田知加ゼミ
所属サークル
団 体
バレーボールサークル ACE