文化遺産と芸術作品を災害から防御するための若手研究者国際育成プログラム

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派遣者報告

2009年度 海外パートナー機関との共同企画報告


■ 第2回歴史都市防災シミュレーション若手研究者国際ワークショップ

 本年度は「THE FUTURE OF THE PAST」と題して、第2回歴史都市防災シミュレーション若手研究者国際ワークショップをイタリア・トリエステ大学において開催した。本ワークショップの開催にあたっては、派遣中の若手研究者と、派遣先であるイタリア・サッサリ大学の若手研究者が中心となって企画・準備を進めた。このワークショップでは、大規模地震によって文化遺産の多くを失った歴史を持つグラド(Grado)地域を事例に、シミュレーション&ゲーミングによる歴史都市防災教育教材の試作を行なった。また、イタリアの両大学の若手研究者のみならず、昨年度若手研究者を派遣した実績のある海外パートナー機関、タイ・タマサート大学建築計画学部の研究者も参加し、若手研究者による歴史都市防災政策に関する研究成果の発表を行なった。

開催日2009年8月23日(日)〜8月31日(月)
開催場所イタリア・トリエステ大学
参加者31名
若手研究者ITP派遣者1名、イタリア・ウディネ大学若手研究者1名、イタリア・サッサリ大学建築学部教員1名、イタリア・ヴェネツィア大学 大学院生及び学部生8名、イタリア・フェラーラ大学 大学院生及び学部生2名、イタリア・ミラノ大学 大学院生及び学部生1名、タイ・タマサート大学建築計画学部教員2名、イタリア・サッサリ大学 大学院生及び学部生5名、立命館大学 教員2名、立命館大学 大学院生1名、講師等(イタリア国内専門家)7名

 なお、本ワークショップの開催にあたっては、国際シミュレーション&ゲーミング学会(ISAGA)、日本シミュレーション&ゲーミング学会(JASAG)、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、ユネスコ(UNESCO)、国連国際防災戦略(UNISDR)の後援を受けた。

 



■ 若手研究者国際ワークショップ「イメージ文化の利用と受容
   −日本美術研究におけるデジタルアーカイブの活用をめぐって−」

 ITP派遣中の2名の若手研究者が中心となって、国際ワークショップ「イメージ文化の利用と受容 −日本美術研究におけるデジタルアーカイブの活用をめぐって−」を企画、開催した。(後援:University of London; Prime Minister’s Initiative Program)
 参加者は日本、イギリス、ハワイ、イタリア、カナダなどからの、多彩な顔ぶれとなり、異分野の研究者との交流も深まるなどの成果もあった。セッションは第一部、第二部にわかれ、第一部ではデジタル画像のアーカイブの利用、とくにオンラインでの利用や修復という観点から、デジタル化された資料の利用方法について、第二部ではデータベースによって蓄積された資料をどのように研究利用していくかということについて、浮世絵、版本、歌舞伎、中国絵画、古典文学など多角的な視点からの研究成果発表が行われた。ワークショップ全体を通して活発な議論が展開され、国内外のデータベース利用の現状についてそれぞれの視点から確認することができた。

開催日2009年9月4日(金)
開催場所Brunei Gallery B202, SOAS, University of London
参加者38名
若手研究者ITP派遣者2名、ロンドン大学SOAS・教員5名、ロンドン大学SOAS・大学院生10名、ロンドン大学SOAS・研究員1名、立命館大学・教員2名、立命館大学・ポスドク研究員1名、立命館大学・大学院生1名、立命館大学・職員1名、カナダ・ブリティッシュコロンビア・教員1名、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学・大学院生1名、セインズベリー日本芸術研究所・研究員1名、リーズ大学名誉教授1名、大英博物館・リサーチアシスタント1名、大英博物館・修復部職員1名、渇ェ墨光堂・役員1名、Academy of Fine Arts of Brera, Milano・教員1名、金城学院大学・教員1名、オックスフォード大学・大学院生1名、横浜市立大学・教員1名、日本大学・研究員1名、一般参加者2名

 参加者はSOASの院生など若手の研究者も多数参加しており、将来的な学術的ネットワークを図る上でもよい機会となった。発表の成果は、立命館大学グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」のブログサイト (http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/JCSG/john_carpenter/soas-workshop/) で公開しており、ワークショップ終了後もディスカッションの場を提供している。ブログサイトの内容は、今後も順次更新していく予定である。