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2007年4月14日 講師:大谷 いづみ

「よく死ぬ」ことと「よく生きる」ことの「間」 ―「尊厳死」言説をめぐって―

 ここ数年、「尊厳死」をめぐる議論がメディアを賑わせ、教育分野では「死を学ぶ教育」が注目されています。人はかならず死を免れないのだから、「よく生きること」の末の「よき死」を希うのは当然としても、生と死の「間」には、「死をみつめて生の大切さを知る」という「死を学ぶ教育」でよく語られる言葉では尽くせない距離があり、そこに「老い」や「病」や「障害」や、「普通」の人との「異なり」があって、それがときに死を希うほどの生き難さ、生きづらささえも感じさせます。そして、その生き難さ、生きづらさは、「老い」からも「病」からも「障害」からも遠い、ごく「普通」の人々の生き難さ、生きづらさともつらなるものではないでしょうか。
 当日の講座では、「尊厳死」が「安楽死」と切り分けられて来た日本の「安楽死・尊厳死」論の歴史を追いながら、その異同を精査し、映画や小説なども材料にしながら、「尊厳ある死」を希求する思想が意味するところを検討してゆきたいと思います。  

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