立命館土曜講座 開催講座一覧


2007年5月19日 講師:中村 淳子

幼児の世界 ―内と外―

 「少子高齢化の時代」と、盛んに言われる昨今ですが、まだそのように騒がれていない時から私の研究テーマは、幼児と高齢者が対象でした。
 人生の始まりと終わり、登る朝日と沈む夕日、どちらも美しく光り輝く時代です。「老人は子どもに返る」とよく言われますが、幼児は経験を獲得していき、高齢者は積み重ねた経験を伝えていく存在です。とはいえ、認知症になるとこの「経験力」が失われ、子どもに返っていくように見えます。しかし、これもきっと万物の法則に叶ってのことなのでしょう。幼児と高齢者は「似て非なる」ものか「非なりて似る」ものなのかをずっと考え続けています。
 本講座では主に幼児の視点からその内界に迫ってみたいと思います。
 現代社会では親から愛されない子ども、子どもから見捨てられた老人のことが毎日のように新聞紙上で取りざたされています。「ゆりかごから墓場まで」の行き届いた福祉国家には、ほど遠いのが我が国の現状です。
 人は人によって育ちもし、癒されもします。その意味からも立命館大学で対人援助のクラスターに関わらせていただいたことは私の財産になりました。
 この時代(幼児期と高齢期)が幸せであるならば、例えその途中で辛酸を舐めようとも「人生は捨てたもんじゃない」と思えるのではないでしょうか。幼児と高齢者がハッピーな世の中になることを願い、微力ながら努力したいと思っています。  

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