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2007年6月2日 講師:竹山 博英

ローマの泉 バロック時代の水道と芸術

 ローマは「永遠の都」と言われている。それは紀元前8世紀の建都以来、常にイタリア半島の中心都市として栄えてきた歴史を持つからである。
 ローマではコロセウムに代表される壮大な建造物が町の顔を作っているが、あまたの泉が街角でさりげなく町に生気を与えているのも見逃せない。ローマは「永遠の都」であるのと同時に「泉の都」でもある。
 ローマには2000以上の泉があると言われているが、その起源は古代ローマ時代、水道の終着点に記念碑として作られた壮大な泉にある。中世にはその大部分が破壊されたが、近世になって水道が復旧され、それに伴って記念碑的泉も復活した。有名な「トレーヴィの泉」「4大河の泉」などはこうして作られたものなのである。
 特に17世紀のバロックの時代は、ローマの都市整備が進められ、地下に水道管が敷設された。そして地上には、あふれ出す水の流れと美しい彫像が形作る独特の芸術が、泉の芸術が花開いた。ローマの町の歴史と芸術を、泉を手がかりに語ることで、新たなローマ像が見えてくる。  

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