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2007年6月23日 講師:Silvio VITA

明治日本に出会ったイタリア人

 幕末・維新から明治末にかけて、いわゆる19世紀を通じて、イタリアと日本は近代国家を作り上げた。両国は長い文化的伝統に基づく独自性を強調し、その当時、列強の中に自分なりの位置づけを試みた。ヨーロッパからみて、それはアジアに目を向ける時代でもあった。日本も、様々な形で圧力を加えられた上で、鎖国の状態から脱皮して、外部から観察されるようになる。
 その中、来日した人たちの記録は当時の日本を見るにあたって興味深い資料を提供してくれる。ほかの欧米の国々より少し遅れて、イタリア人が残したものも一目に値する。目覚ましい活動を展開する養蚕関係の商人、外交官、軍人、横浜在住の写真館の主人、また、時代が少し下って、流行のアジア旅行の波に乗って日本にやってきた裕福な旅行者、そしてまた、言うまでもなく、イタリア出身のお雇い外国人などの姿は特に目立つ。
 こういった人たちの活動を通して近代の黎明期の日伊関係の歴史を追って、欧米人の日本論の中でイタリア系の人たちはどのような視線で日本を眺めたかを考えてみたい。  

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