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2007年9月8日 講師:江口 信清

ガイアナ・アラワク人の観光戦略は持続可能か?

 観光のグローバル化が進行し、観光客の近代的な観光の仕方や行き先は地球上の津々浦々まで及んでいます。各地のエスニック・マイノリティ、極貧者、低位カーストなどの社会的弱者の多くは、観光に関してもおうおうにして弱い立場に置かれてきました。このような人たちにも優しい、もう一つの観光としてソフト・ツーリズム、エコツーリズムなどの必要性が欧米主導の形で唱えられ、南の社会にまで伝播してきました。
 しかし、多くの場合、理念と実践の間には大きな乖離が見られ、社会的弱者は被支配的立場におかれ続けました。この人たちが、しかしながら、観光化を逆手にとって、自立化の道を進み、かつプライドを回復することはできるのでしょうか。
 今回の講座では、世界の4つの地域の社会的弱者を取り上げ、観光化を逆手にとったこの人たちの生き方を紹介し、今日的な観光について再考する機会を共有することを目的にしています。
 南米最北端に位置するガイアナの先住民は、1990年頃までは国に何の貢献もしえないエスニック・マイノリティとして位置づけられていました。今回の報告では、アラワク人という先住民の1村落の事例を取り上げ、観光化を逆手にとって生活環境の改善を図る一連の過程と、それと同時に生じる問題点について一緒に考えたいと思います。  

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