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2007年9月22日 講師: 瀬川 真平

インドネシア・ジャワ島中部地域における世界遺産観光と地震

 インドネシアの歴史・文化・自然は多くの海外からのツーリストをひきつけている。なかでもジャワ島の中部地域は、ユネスコ世界遺産に登録された遺跡はじめ、宮廷文化、芸能や工芸、自然景観などの観光資源に恵まれており、観光が地域の経済・社会・文化・政治などの面で重要な役割を担う。
 ところで、いわゆる"途上国"を舞台とした国際観光では、先進国のツーリストが訪問先の文化や歴史や自然景観を安価に味わえるのは、訪問する側とされる側の間に経済的な格差があるからだとも言える。遺跡や名所といった観光の最前線は、先進国ツーリストと現地の観光関連の零細な人々が直接出会う場である。
 2006年5月27日、ジャワ島中部地域で大地震が発生、多くの人命を奪い、甚大な物的損害をもたらした。そして、観光の資源・インフラ・関連産業などにも多大の被害をおよぼし、さらにそうした出来事のニュースが海外のマスメディアでも盛んに報じられて、国外からのツーリストの訪問をためらわせることになった。それが、地震による直接的な損害だけでなく、最前線で観光に携わる零細な人々に大きな影響を与えている。  

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