立命館土曜講座 開催講座一覧


2007年11月3日 講師:服部 利幸

日本発CSRの源流探索
−信頼確保・信用維持のために−

 最近、CSR(企業の社会的責任)という言葉を聞くようになりました。関連して、企業不祥事のニュースも、残念ながら珍しく無くなりました。経営者の良識、すなわち、経営者の倫理観に注目が集まる時代になってきたといえるでしょう。
 一方、京都には永く続く老舗が数多く存在しています。CSRは、利害関係者からの信頼の確保を目的としていますが、老舗が永く続いてきた背景にも信用を重んじ、お客様だけでなく老舗を取り巻く利害関係者の信頼を確保するという経営姿勢が存在しています。商いを永く続けるには、信頼の獲得、信用の維持が不可欠であります。日本にも、江戸時代、いやそれ以前より脈々と受け継がれてきた信用・信頼を重んじる経営者倫理が存在しています。
 この点を調査して社会に謳うべきであるというのが、今回の土曜講座を担当させて頂く我々の研究目的です。今までの調査の結果、老舗に引き継がれてきた経営者倫理観はCSRと肩を並べる重要な概念であると共に、それは単なる掛け声だけでなく、100年、200年・・・と引き継がれてきた実績と方法を兼ね備えたものであることが分かりました。
 がむしゃらに突き進んだ戦後の高度成長時代、まぼろしであったバブル経済とその崩壊、そして錬金術的金融ゲームの蔓延、これらに対する反省を込めて、日本の伝統の中にある教えに目を向けてみるべきであると痛感致しました。  

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