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2007年11月10日 講師:磯林 恵介

途切れない商い
−信頼確保・信用維持に関する守りの側面−

 老舗の信頼の確保・信用の維持に関する守りの側面とは、無理なことを行なわず、万が一に備える経営姿勢です。無理な経営を行なうということは、その企業の将来性に不安が生じ、商売上の信頼・信用を失っていきます。商売を行なっていく上の判断で、先が見えない、不確実なこともあるでしょう。無理な経営とは、身の丈を考えず、そのような不確実な事柄に盲目的に対処したり、博打的な取引に手を染めたりすることをいいます。
 商売に不確実性・危険性は付きものですが、それが悪い方向で生じても、吸収できる範囲に留めておく経営を行なうともいえるでしょう。この無理の無い経営に対して、万が一に備える経営は関連しています。無理の無い経営で徐々に体力を蓄え、自らが安全に負うことのできる不確実性・危険性の程度を少しずつ引き上げていくことも可能になります。
 また、万が一に備えるとは、自らのために備えるだけでなく、関係者の信頼や信用を維持するために備えるといえるでしょう。万が一に備えた経営を実践することで、免疫力と体力がつき、取引業者も安心して商いを行なうことができます。
 今回は主に、老舗を揺るがしたリスクに対応してきたフレームワークに関して、事例を踏まえて、ご紹介できればと思います。  

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