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2008年3月8日 講師:文 楚雄

中国における儒教の再評価

 1980年以来、中国は経済面においては、世界を驚かせるほど急成長を成し遂げ、成長率が平均して10%超える年は20年も続いていた。国民一人当たりの国内総生産は1978年の379元のところから2006年の15,930元のレベルまでに成長し、28年間でなんと42倍も伸びていたのである。さらに地域的に見てみると、もっとも伸びている都市の一つである広州市では2006年度の一人当たりの国内総生産は62,210元で、10,000ドルにも達する勢いであった。
 しかし、他方、この急速な経済成長は必ずしも社会風紀や人々のモラルを良い方向に向かわせたとは限らない。人々の倫理道徳はむしろ20数年前より一層悪くなってしまったのである。数多くの新しい社会歪み現象が生じているのである。この悪くなった社会風紀などを立て直すには二千数百年も続いていた儒教が有効であろうと多くの人々が気づいたのである。そこで、近年、中国では儒教に対して再評価し、国学や古典を学ぶブームが引き起こされている。  

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