一般的に、マンガはわかりやすくて親しみやすい、と思われています。実際、小学生にもなれば子どもはマンガを普通に読みますし、「マンガでわかる哲学」「マンガ日本の歴史」のように、マンガによる解説本や情報誌の出版が相次いでいることからも、そのことはうかがえます。
しかし、そもそもマンガはいかなる意味において「わかりやすい」のでしょうか。
本講座では、「なぜわかりやすいのか」と「本当にわかりやすいのか」という二つの問いを手がかりに、マンガをとりまく環境の特性、およびその表現形式の可能性や課題について考察します。その過程では、受講者の皆さんと一緒に、具体的なマンガ作品を読みながら、マンガのメッセージ伝達力について思索することにもなるでしょう。
現代日本に居住する「私たち」にとって、マンガとはいかなる存在であるのか。限られた時間ではありますが、この機会に考えてみたいと思います。
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