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2009年9月19日 講師: 林 良雄

ペプチドとくすり

 ペプチドは、私たちの生命活動に欠かせない体内物質なのですが、最近、「生活」の中でも身近になってきました。「アミノ酸まとめて どん! それがペプチド」と矢沢永吉さんが日本コカ・コーラのパワーエイドという飲料のCMで言っていましたよね。これは大豆のペプチドです。カルピスからは血圧を下げる「アミールS」という牛乳由来のペプチド飲料が販売されています。味の素の甘味料「パルスイート」も、「ジペプチド」です。ペプチドは、アミノ酸が繋がった物質ですが、同じ仲間の「たんぱく質」よりも小さな分子です。「ホルモン」として体内の情報調節を受け持つため、100年も前から生命の仕組みの主役として研究されてきました。
 それでも,私がペプチド研究者を志して京大大学院の門を叩いた25年前は、ペプチドはマイナーな言葉でした。ところが,最近の医薬品開発(創薬)では、ペプチドが重要な出発点となります。エイズの特効薬もペプチドを足がかりに開発されました。ペプチド自身は口から飲むと消化されてしまいますが、化学構造を巧妙に作り変えることで、凄い「くすり」に変身します。セミナーでは、そんな例を含めて「ペプチドとくすりの関わり」をお話しようと思います。お楽しみに。

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