立命館土曜講座 開催講座一覧


2010年12月18日 講師: 山本 勇次

ペナンにおけるネパール人労働者の生存戦略

 筆者は長年ネパールの観光地ポカラで「社会的弱者」の生きざまを調査してきた。ポカラは近年国際的な観光地として伸び悩んでおり、 借金の嵩んだ若者には海外での出稼ぎに雄飛する者が多出している。ポカラに古くから住むグルン族には「グルカ兵」として英国やインドへ傭兵の出稼ぎにいく伝統があり、 そのグルン人脈の長年の蓄積から、ポカラの若者は海外へ出稼ぎを嫌がらない。一昨年まではドバイ行きが流行であったが、最近は、東の観光地マレーシアの出稼ぎが増えている。 筆者は2009年、2010年とマレーシアの観光地ペナンへ短期出張した際に、少なからぬネパール人労働者を見つけ、彼らにインタビューをすることができた。 そこで今回の土曜講座では、その際のスライドを中心にして皆さまにペナンでのネパール人労働者の暮らしぶりを紹介してみたい。 興味深いのは、ペナンのネパール人労働者の殆どは、ネパールのカトマンドゥやポカラにある「マン・パワー・オフィス」の斡旋でペナンの就労に来ており、 このオフィスと就労契約を結ぶ際に、貧しい若者たちは、あらかじめ支払うべきパスポート取得費用、渡航費用や斡旋料一切を自腹で支払える資力がないため、 そのオフィスから高利の借金をし、ペナンで働き給料をもらい始めてから月々その返済をしている。マレーシアの空港に到着と同時に、 出迎えのマレーシアの雇用者代理人にパスポートを取りあげられ、味気ないタコ部屋の社員寮に入れられて忍耐強く勤勉に働くネパール人労働者を是非見て頂きたい。



 とても勉強になる講座でした。ありがとうございました。
 ネパールに3〜4回ボランティアで行ってる関係で、とても興味あるテーマでした。
 どうかアジア関連の講座をたくさん開講して下さい。
 母校の益々のご発展を祈念いたします。

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