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2011年7月30日 講師:花田 卓司

中世の合戦から京都をみる 〜南北朝内乱と京の争奪

 中世の京都は、政治・経済・文化の中心であり、それゆえに、たびたび大きな戦乱の舞台となる都市でした。なかでも南北朝内乱では、建武3年(1336)から康安元年(1361)までの26年間で7度もの京都合戦が発生しています。当時を活写した有名な軍記物語である『太平記』には、打ち続く戦乱で荒れ果て、焼け野原となってしまった京都の様子が描かれています。
 しかし、よく考えてみると、北朝を擁立する室町幕府は京都を本拠地としていますし、南朝もまた京都に帰りたいからこそ幕府に戦いを挑んでいるわけです。その京都を焼け野原にしてしまうような合戦が本当に行われたのか、素朴な疑問が浮かんできます。南北朝時代の京都合戦は、いったいどこで、どのようにして戦われていたのでしょうか。 本講座では、中世の戦闘方法や武士たちが残した合戦の記録、軍記物語の描写を手がかりに、上記の疑問に迫ります。そして、それを通じて南北朝時代の京都はどのような町だったのかをお話させて頂きたいと思います。



 講義の展開・進行が極めて整理されわかり易く、かつ問題提起→分析→結論と話が進められ、聞きやすくもあり、学びの多い講義でした。
市街境界線域戦の足利vs後醍醐と、市中・市街戦の応仁の乱の、その違いの理由・根拠がよくわかりました。GISを利用されたことで、それがより明確に視覚からも受け取れました。戦斗技法についての歴史的変遷は今日も今後もその状況に応じて変化していくことでしょう。

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