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2013年6月22日 講師:高橋 昌明

歴史都市・京都をいかに論ずべきか

 歴史都市・京都については、千年の都、王朝の文化、祇園祭、町衆、などといったキーワードが用意されている。これらはそれぞれ重要な切り口だが、その内容も十分吟味されてるとはいえないし、そこからこぼれ落ちる問題少なくない。
 たとえば平安京以来の建物は旧市街には一つも残っていない。度重なる大火事や戦乱で壊滅的な打撃を受けた結果、現在の都市景観は基本的に幕末以前にはさかのぼらない。にもかかわらず、人はなぜ千年の都というイメージをもつのか。貴族や寺社がこの都市の主人公であるかに見えるが、武士とのかかわりはどうか、江戸時代の京都は幕府によって支えられていたのではないのか。世界の古代都市の多くは、周辺の環境を収奪することで発展し、収奪しつくして自らも亡んでいった。それなのに、なぜ京都は歴史的生命を維持し発展しえたのだろうか。
 疑問を持つことは、すでに答えが間近にあること、といわれる。非力ながらこれらの疑問の解明に向かいたい。

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