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2017年1月28日 講師:田中 覚

祇園祭・山鉾の立体計測と高精細透視可視化

世界遺産,日本遺産なども含め,国内外には貴重な3次元文化財が多数存在する.これらの情報,とくに立体形状の情報を,最新の3次元計測技術と情報技術を用いて正確にデジタル保存し後世に伝えようという試みが,多数行われている.この傾向の背景にあるのは近年の急速な3次元計測技術の発達である.3次元計測技術は,この10年で劇的に性能が向上し,計測対象によってはミリ単位の精度が得られている.さらに最近では,UAV (Unmanned Aerial Vehicle) あるいはドローンと呼ばれる無人飛行機の普及により,人が容易に立ち入れない場所にある3次元遺跡の計測も可能になった.3次元計測技術は現在でもホットな研究領域であり,今後,さらに技術革新が進むと思われる. 2016年7月にプラハ行われた3次元計測に関する世界最大の国際会議 「第23回 ISPRS コングレス」(4年に1度開催)では,世界88カ国から2000人以上の参加者があり,約1週間にわたって活発な討議がなされた.さて,本講演のテーマは「可視化」である.とくに,祇園祭の山鉾などの3次元文化財,すなわち立体構造を有する文化財を,コンピュータが作る仮想空間内で分かりやすく「透視」して見せる技術を解説する.





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