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2017年2月18日 講師:山崎 有恒

『京都日出新聞』に見る京都の歴史災害

 有史以来何度かの大災害に見舞われてきた京都。それらについての歴史地理学的研究は多く積み上げられてきました。しかし不思議なことに明治維新以降の京都の災害が学術的に検討されることはほとんどありませんでした。それは第一に、近世以前の大災害と比べて大きな規模の災害が発生しなかったこと、第二に、近代の科学技術の導入により災害対策は大きく進展し、現在では災害を封じ込めることに成功したんだという「過信」が原因でした。
 しかし近年の東日本大震災に見られるごとく災害はいつ牙をむいて私達に襲いかかってくるか予断を許しません。それは歴史的文化都市京都といえど、決して例外ではないのです。
 そこで本講演では近代の京都で発生した災害を題材に、人と災害との関係性が大きく変容した事実を示し、そのことで失われたものは何なのか、災害からこの町を守るために今日も私達が考えなければならないことは何なのかを考えていきたいと思います。

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