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2018年8月4日 講師:金山 千広

パラリンピックと障害者スポーツ:
傷痍軍人のリハビリテーションを起源とするパラリンピックから障害者の福祉を紐解く。

 日本の障害者スポーツは、1964年に開催された東京パラリンピック(ストークマンデビル競技大会)と同大会第2部として開催された「国内身体障害者スポーツ大会」に端を発したとされます。特に第2部の国内大会は、翌1965年より全国身体障害者スポーツ大会(身障国体)に引き継がれ、2001年に知的障害者スポーツ大会(ゆうあいぴっく)と合併して、全国障害者スポーツ大会へと発展しました。日本の障害者スポーツは導入当初から欧米諸国のように脊椎損傷を負った傷痍軍人のみではなく、対象者のすそ野を広げて、すべての身体障害者を含めた展開がなされてきたことに特徴があります。また、競技性よりも社会啓発を目指す取り組みとして厚労省管轄による「福祉」として位置付けられてきたことも特徴です。近年、高度化するパラリンピックの流れを受けて、障害者スポーツは厚労省から文科省に移管され、スポーツ庁による一元化推進体制に組み込まれました。分離からインクルージョン(包摂)の歩みの中で、日本の障害者スポーツは今後どのような使命を負うのでしょうか。2020年東京パラリンピックの開催を踏まえて、福祉とスポーツの両面から紐解きたいと思います。


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