2018年11月10日　講師：中村　仁美

アフター・イェイツ
――アイルランド文学の想像力

　英語文学の歴史のなかで、アイルランド出身の作家は独特な存在感を放っています。『ガリヴァ旅行記』のジョナサン・スウィフト、『サロメ』のオスカー・ワイルド、『ドラキュラ』のブラム・ストーカー、『ユリシーズ』のジェイムズ・ジョイス・・・。これまでにウィリアム・バトラー・イェイツをはじめ4名のノーベル文学賞受賞者を輩出したこの国の文学シーンは、今日に至るまでとてもにぎやかです。 本講座では、そのなかでも特に英語作家たちが「アイルランドらしさとは何か」という問いに向き合った時代のお話からはじめたいと思います。すなわち、独立運動の気運に乗って19世紀末に興ったアイルランド文芸復興です。そしてアイルランド人として初のノーベル文学賞受賞者となったイェイツにとっての「アイルランド」と、後の世代の作家が描いた「アイルランド」を、作品を読み比べながら皆さんと共に考えてみたいと思います。英語文学の裾野を広げながら自国そのものに深く根を下ろす、アイルランド文学の想像力の一端にふれてみましょう。


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