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2019年1月12日 講師:鈴木 桂子

近代以降のコンタクト・ゾーンにおけるキモノ文化

 きものを、伝統的なもの、完成された固定的なものとして考えるのではなく、グローバル化する社会で生きている服飾として考えると、その柔軟な対応や流動的な側面が見えてきます。きものが海外に紹介されてから4世紀以上経っており、その一端は欧米のジャポニスムとの関連で研究が進んでいいますが、本研究は、「コンタクト・ゾーン」をキーワードとして、そういったきもの文化を担ってきた人々の様々な対応・側面を捉え、理解しようという試みです。「コンタクト・ゾーン」は、「異なる文化背景を有する人びとの接触が生じる領域」(田中雅一 2010:ii)と定義することができますが、近代以降、移民、観光、交易、戦争などで生じたコンタクト・ゾーンで、様々な「きもの」文化の担い手が、従来のきものの材料や技術にどのような工夫を加え、外国人を含む新たなキモノ文化の消費者にアピールしようとしたか、また当時、それが異文化にどのように理解・受容され、発展していったのか、またそれが海外での日本のイメージ形成とどのように関係していたのかを探っていきます。具体的には、外国人向けお土産、アロハシャツ、スカジャン、輸出品などを研究対象とします。


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