立命館土曜講座 開催講座一覧


2019年1月26日 講師:吉田 満梨

現代におけるきものビジネスとユーザー変化

 きもの産業は、現在転換期を迎えています。80年代に2兆円といわれた市場規模は3000億円に満たず、職人の高齢化や低賃金による産地の疲弊により、伝統的なものづくりの存続が危機的状況にあることが指摘されています。 ただし、明るい兆しも見られます。2000年以降、若い世代を中心にきものへの関心が高まった結果、きものに関する知識・魅力の発信から、新しい素材・デザインを用いたきものの開発に至るまで、ユーザー自身が主体的にきものの価値創造に参画するようになりました。私自身も、2013年に突如としてきものにはまった結果、自分にできる仕事として、きもの関連市場の研究に着手しました。 一方で、そうしたユーザーの変化を受けて、かつてない事業者の取り組みも見られるようになりました。新たな製品やブランドが開発されているだけではなく、昨年5 月には、経済産業省の和装振興協議会で、「和装の持続的発展のための商慣行のあり方について」が確認され、サプライチェーンの全体で商慣行を改善する改革が進められています。土曜講座では、これまでの調査結果に基づいて、きものビジネスのこれからの展望を、一緒に考えたいと思います。


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