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2019年7月6日 講師:大庭 三枝

中国の「一帯一路」構想とアジア

 中国の影響力の著しい拡大、アメリカの強硬な対中政策、そして米中対立の激化といった情勢を受け、現在、地域秩序の変容が盛んに論じられています。そうした中で注目されているのが、習近平政権が提唱し、着実に歩みを進めている一帯一路に牽引され、また刺激される形で、アジアにおいて明らかに物理的な統合、ないし連結性が高まっていることです。
 東南アジアをはじめとする多くの国々は、中国への過度の依存への警戒心を抱きながらも、経済発展のため「中国マネー」の流入を基本的には歓迎しています。中国とアジア諸国とのそれぞれの思惑の絡み合いは、今アジアにおいて盛んになってきている高速鉄道や道路、地下鉄、港湾施設などを整備して国境を超えた連結性を高める動向にも大きく影響しています。
 アジアの状況がかつてと比べ様変わりしている現在、おそらく今後もっとスピードを加速させてアジアは変化していくのでしょう。一帯一路のもたらすアジアの変化を、特に東南アジア諸国がどう捉え、どう対応しているのか、に注目しつつ、長期的視点から観て、この地域にいったい何が起こっているのか、ということを、考えてみたいと思います。     

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