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2019年12月 7日 講師: 橋本 和也

オリンピアン・パラリンピアンにとっての真正性 ー観光学の視点からー

  「オリンピアン・パラリンピアンにとっての真正性 ―観光学の視点から」
 観光学・観光人類学の視点からオリンピック・パラリンピックをみると、この世界的な競技大会の興味深い側面があきらかになる。アスリート・パラアスリートも旅行者であり、国家を越えて「他者」と出会う旅路の経験を楽しむという側面を指摘できる一方で、「身体の商品化」という側面もある。商品化・ビジネス化の進行とともに「ドーピング」の問題が浮上し、かれらアスリートにとっての「真正性」とはなにかが議論されることになる。  
 観光学の領域で議論される「真正性」の視点から、スポーツの領域における「真正なるアマチュア精神」や「イコールコンディションの確保」という理想を見直すと、アスリートの身体のみならず競技大会自体が「商品化・ビジネス化」している現状においては、「誰が真正なアスリートか」、なにをどうすればスポーツにおける「イコールコンディションの確保」が可能になるかという問題に突き当たる。  
 「真正なアスリート・パラアスリート」の実現の難しさを指摘するだけでなく、新たなスポーツの在り方と楽しみ方について考えてみたいと思っている。

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