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2019年12月14日 講師: 川村 仁子

オリンピック・パラリンピックを支えるグローバル・スポーツ法

 法は国家が作るものであるという認識が一般的ですが、実は近代以前から宗教法や商人法といった、国家以外の主体が作る法も国境を越えた社会のなかで認められ、守られてきました。現代でも経済やIT、医療、先端科学・技術などの国内法や国際法による規制がない、あるいは規制が不十分な分野において、国家以外の主体が自主的に規範を形成しています。そのような規範を法と認めるか否かに関しては未だに議論がありますが、近年それらは「グローバル法」や「非国家法」と呼ばれ、その重要性が認識されつつあります。  
 スポーツの分野でも、練習方法や試合のルール、審判方法、フェア・プレイやスポーツマンシップといった理念などが、非政府組織である各種スポーツ団体による自主的な規範によって定められています。これらは「スポーツ法」と呼ばれ、世界中でスポーツ競技を支えています。国際オリンピック委員会は、グローバルなスポーツ法の形成主体のひとつとしてオリンピック憲章を定めるとともに、独立した異議申し立て機関としてのスポーツ仲裁裁判所も設立しました。今回は、オリンピック・パラリンピックを支えるグローバルなスポーツ法についてお話ししたいと思います。




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