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2021年10月9日 

特殊効果と映像表現

特殊効果はあくまで映画製作における副次的なものとして捉えられることが多いものの、映画とはその誕生から深く結びついてきました。さらに、近年のデジタル技術の発達が、映像のいっそう柔軟な加工を可能にし、映像の制作手法を大きく変えつつあることをふまえれば、特殊効果は現在の映画製作において欠かせないものになってきているといえます。またそのことは、製作された作品の映像表現にも大きな影響を与えており、従来では実現できなかった映像を生み出すばかりか、物語の水準にも強く作用しています。そしてこうした変化は、映像の制作および受容におけるデジタル技術の普及により、映画が他を圧倒する映像文化であった頃とは様変わりした「ポストシネマ」と呼ばれる潮流にも大きく関わっています。 本講座では特殊効果ないし視覚効果の観点から、『ゼロ・グラビティ』やMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品など近年の映画作品をとりあげその映像の特徴や制作手法を従来の映画と比較しながら、デジタル技術がもたらした映画の変容について考えてみたいと思います。




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