トライアスロンで今まさに世界に飛び立とうとしている選手がいる。2017年7月に開催された「ASTCトライアスロンアジア選手権男子U23」で、見事1位でフィニッシュした山本さんだ。「天候の関係で、本当は別でスタートとするはずだったエリートクラスと一緒のスタートだったんですが、その先頭集団に喰らいつけたのがよかったです」と勝因を語る。昨年の同大会は5位という結果だったので、好調さがうかがえるレース展開だった。

※トップ選手の呼称。一般選手と区別して競技をスタートすることも多い。

過酷の先にある達成感

トライアスロンは、スイム・バイク・ランの3種目を一人の競技者が連続して行う耐久競技。当日の天候やコースによって全く違う展開になる。また、レース中に繰り広げられる駆け引きも見どころの一つだ。

兄の影響で3歳から水泳を始め、小学5年のときには、個人メドレー競技で全日本9位の成績を残した。しかし、その後は成績が振るわず、中学1年で水泳を断念。両親に勧められるままに、中学2年から現在も所属している地元のクラブチームのAS京都の門を叩いた。「最初はなんとなく始めたのですが、3種目の力が求められ、練習した分結果が出て達成感がある競技にどんどんはまっていきました」と、過酷な競技に情熱を燃やしている。

更なる進化を求め

高校3年のとき、日本ジュニア選手権で初めて日本一のタイトルを獲得。1回生のときからはエリートクラスの大会に出場し、「己の未熟さとも向き合うようになり競技に対する意識が変わりました」と語るように刺激も受けたが、エリートクラスとの力の差も感じた。また、昨年は不運にも怪我に見舞われ、「完治せずに練習や試合に出場し、逆に怪我を長引かせてしまったときはしんどかったです」と、結果を残せないという現実に迷い、戸惑い、苦悩したという。

週6日、3種目全ての練習を行うハードな日々だが、世界を相手に戦い、そして今後プロ選手として活躍したいという目標が原動力になっているという。もちろん、一人でここまで成長できたのではない。AS京都のコーチや仲間、また、支え続けてくれた家族の存在が大きかったと感謝の意を表する。

海を渡り、風を味方に、ゴールテープを切る

9月には、東京五輪から正式種目になるミックスリレー(男女2人ずつが競技する)の代表選手に選出された。「英国トライアスロンミックスリレーカップ」で5位という成績も喜ばしいことだが、他3人がプロ選手の中、日本を代表して競技したことは、山本さんをアピールする絶好の機会となった。

「2018年度からの大会は五輪出場代表枠をかけた戦いとなるので、ベストを尽くしたいです」。山本さんにとって五輪は憧れの場所ではなく、目標とすべき場所。まだある世界との差を埋めるべく、戦いに挑み続ける。

PROFILE

山本康貴さん

京都府立乙訓高等学校(京都)卒業。得意のスイムで上位につけ、バイクでは先頭集団に入り、そのままランに持ち込むのが山本さんの勝利へのプロセス。現在は、山下秋二教授のゼミに所属し、スポーツマネジメント領域について学ぶ。
【2017年の試合結果】
6月4日 ASTCトライアスロンアジアカップ(ニュータイペイ) 3位
6月26日 NTT ASTCトライアスロンアジアカップ(大阪城) 8位
7月8日 NTT ASTC トライアスロンアジアカップ(高松)  11位
7月22日 ASTCトライアスロンアジア選手権(パレンバン)男子U23 優勝
10月15日 第23回日本トライアスロン選手権 9位

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