「投票所のアルバイトで偶然クルマの話になって意気投合したというか…、その出会いがなければ起業していなかったかもしれません」という須藤さんは、会社を立ち上げ2年目の若き社長だ。

師であり、パートナーでもある仲間との出会い

須藤さんは原付三輪スクーターのジャイロキャノピーの中古車販売店を経営している。そこで従業員として働いているのが、師と仰ぐ瀧口弘一さん64歳。昔、輸入関係の仕事をしていた経歴をもつため、ノウハウを教えてもらっている。二人の共通点は、投票所でアルバイトしていたこととクルマが好きということ。本当に運命的な出会いだったと振り返る。

「クルマに関わる仕事をしたいと話すと、瀧口から『クルマだと失敗したときのリスクが大きいよ。バイクから始めてノウハウを学んでみては』というアドバイスを受け、単価の安いバイクで始めようと決めました」。車種は須藤さん自ら選んだジャイロキャノピー。「安定感があり、雨の日でも運転できて便利なのではと思いました。またミニカーとして登録すればヘルメットも不要なので、髪型も崩れることもないんです」と女性らしい目線も加え決定した。

※後輪の輪距の寸法(トレッド幅)を純正の430mmから500mm以上にするとミニカー登録できる

信頼度京都№1を誇る店舗に成長

開業当初は、1台購入して販売後に2台購入するという方法で徐々にバイクを増やしていった。その後経営は軌道に乗り、今では常時40台を所有するまでに成長。専門店らしく豊富な知識で信頼を獲得してきたのが成功の秘訣という。「来店されたお客さんから『他のバイク店が“ジャイロキャノピーなら、J.J.S.で購入するのがいいよ”と教えてくれたので来ました』と聞いたときは本当に嬉しかったです」。お客さんはもちろん同業者にも認められた証だ。

しかし、決してここまで順風満帆だったわけではない。「学生ということで周りから信頼が得られないことに悩んだ時期もありました。でも、実績をあげれば認めてもらえるだろうと考え直しました」。須藤さんの前向きな性格が運気を呼び、成功を手繰り寄せたのかもしれない。

秘密を抱えたままの起業

須藤さんは最近まで一つの秘密を抱えていた。それは起業したことを両親に内緒にしていたこと。「将来のことを心配するので、今秋には伝えようと思っていました」。そんなとき、予想以上に早く両親に知られる出来事があった。今夏、須藤さんの会社がテレビで紹介されたのだ。「関西地区でしかも平日朝の放送なので、博多に住む両親に知られる確率は50%かなと思っていたのですが…」。しかし、週末に放送される総集編を見ていた関西に住む父の友人が両親に知らせたという。「今夏に帰省したときは、根掘り葉掘り聞かれてしまいました。でも、今は理解してくれ全面的にサポートしてくれています」と両親に感謝する学生らしい表情を覗かせた。

全ての人を笑顔にさせるビジネスを

須藤さんに会社の今後を聞くと表情が一変、経営者の顔になった。「今後は、レンタルを開始していきます。京都の街を移動するには、クルマもバスも自転車も大変。ぜひ安定感のあるジャイロキャノピーでの観光をすすめていきたいです」。現在二つの顔を持つ須藤さんは、来春から学生という顔を卒業し、社長として大きく羽ばたいていく。そしていつかクルマに関わる仕事をしたいと夢は広がるばかりだ。

PROFILE

須藤智美さん

福岡女学院高等学校(福岡県)卒業。株式会社WISTERIA & CASCADE HOLDINGS代表取締役を務め、Japan-Job bike-Service(J.J.S.コーポレーション)で車両販売・修理業務を行う。従業員3人を抱える社長として奮闘中。日本の歴史が好きで、大学では日本法史を学ぶ。両親の影響でクルマ好きになり、帰省したときは両親と一緒にレースの練習をしている。心休まるときは友達や従業員との麻雀。

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