「趣味は…防災ですかね。サークルを立ち上げてから、日々防災について考えています」という津田さんは、大阪いばらきキャンパス(以下、OIC)を拠点に活動している、防災共育サークル「Attelle(以下、アトレ)」の代表であり立ち上げメンバーの一人だ。

Attelleとは、フランス語で「添え木」という意味がある。自分たちは防災について考えるきっかけをつくり、いずれはそれぞれで防災の意識を高めてほしいという気持ちが込められている。現在は、メンバーが考案した非常用持ち出し袋プログラムを中心に、茨木市の小学校区で開催される防災訓練などで、定期的にワークショップを開いている。

“楽しく防災”するきっかけに

無地のナップサックに絵やスタンプで自由にデザインし、オリジナルの持ち出し袋を作成してもらう。子どもには自分のデザインした袋を大切に、家族には子どもがつくった「作品」として、そして有事の際には手にとってほしいという狙いだ。2年目を迎えた活動は、「子どもたちの笑顔にメンバーはメロメロになっています。学園祭でも予想以上の人たちに参加してもらい、ただただ驚いています。“楽しく防災”してもらえているのが嬉しいです」と手応えを感じている。

デザイン時に使用する約30種類のスタンプには、非常時に必要となるかもしれないアイテムが記されている。「持ち出し袋を作成するときに『何が必要かな?これは必要かな?』と考えてもらうことが防災へのきっかけになります。あくまで私たちはそのお手伝いです。必要なものは人それぞれ違うので『断言しない』ということはメンバーにも徹底しています」

一から立ち上げた防災サークル

津田さんは以前から、命や人々の幸せを守りたいという思いを強く抱いていた。大学に合格したとき、幼少期から憧れていた消防官になることを決意。そして、夢を叶えるまでの4年間で何かできることはないかと模索していたときに出会ったのが「防災」だった。

その当時、OICには防災サークルがなく、「ないなら立ち上げよう」と今の副代表と準備を始めた。防災士の資格を取得したり、防災に関するさまざまなイベントに参加。それでも、実際は何から始めていいか分からず、イベントで出会った参加者に「防災サークルを立ち上げたいのですが、どうしたらいいですか?」と聞いて回ったという。ある人に言われた「被災地に行ったことある?行って実際に見ないと始まらないよ」という言葉が胸に響き、津田さんは行動に移した。

被災地での経験が活動の活力

それ以来、東日本大震災や熊本地震の被災地でボランティアに取り組むなど、震災と向き合ってきた。現地に赴き、命の尊さ、助け合いの大切さを実感するとともに、悔しさを隠し切れなったという。「自分に何かができたわけではないですすが、自分自身の無力さを痛感しました。自分がもっと防災を広められていたらと考えると、夜も眠れませんでした」。その経験がサークルの礎となり、活動の活力となっている。「防災することで、被害が抑えられるかもしれない。防災することで、人々の暮らしを豊かにしたり、人を笑顔にすることができるかもしれない。防災することが“特別”のものではなく、“日常”になる日がきてほしいです。それまで私たちは活動し続けます」。その津田さんの言葉には、強い使命感がうかがえた。

PROFILE

津田 誠さん

京都市立西京高等学校(京都府)卒業。豊田祐輔准教授のゼミに所属し、各国の「救命の連鎖」について研究している。中学時はサッカー部でゴールキーパーとして活躍、高校時はソフトテニス部に所属。現在は消防官を目指すための体力づくりに励んでいる。

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