「球の速さ、繊細さ、高度な技術が必要、これがバドミントンの面白さ。そして、小さい子から高齢者まで楽しめる生涯スポーツです」と語るのは、体育会バドミントン部に所属し、2017年10月から半年間、月に一度、大阪いばらきキャンパスで開催しているバドミントン教室「茨木市×立命館バドミントンクラブ」を企画した吉野さん。毎月約60人、5歳から65歳の茨木市民がバドミントン部の指導を受け、総勢20人の部員が各回交代で指導にあたっている。

幅広い年代が楽しめる教室を

2017年6月、吉野さんはチラシで「有志団体が企画したイベントで、茨木市を活性化しよう」という茨木市の取り組み、「茨木市提案公募型公益活動支援事業補助制度(自由テーマ型事業)」を知った。部員は、小学校低学年からバドミントンを始めたメンバーがほとんどで、地域のクラブで高齢者とバドミントンをしたり、部活後に地域のクラブに通っていた。それまでにもバドミントン部は、大学のイベントで子供を対象にした教室を開催していたが、より幅広い年代の人がバドミントンを通じてつながりができるクラブを作りたいと思い、茨木市のプロジェクトに応募した。

生涯スポーツの魅力を生かして

吉野さんは、6人の企画班を立ち上げて、何度もコーチや部員と話し合いを重ねた。市役所でのプレゼンでは、緊張しながらも生涯スポーツというバドミントンの魅力をアピールした結果、茨木市の公益活動支援事業の一つに採択。参加者募集に向けてチラシを作成し、小学校や高校、ママさんクラブなどに広報を行ったところ、30人の募集に対し60人以上の応募があり、驚きと同時にとても嬉しかったという。そこで抽選で人数を限定せずに、応募者全員が参加できるようにした。バドミントン部は、部員の多くが高校時代に全国大会に出場するなど、実力のある部員が多いため、ただ楽しくバドミントンをするだけでなく、参加者がより技術を伸ばせるような本格的な教室にしたい、と考えた吉野さん。教室では、ただバドミントンをするだけでなく、体操やランニング、ウォーミングアップなどのトレーニングから行う。経験年数などで8チームに分け、各チームのレベルに合わせたメニューを考えるのも吉野さんの役目だ。経験年数やレベルには大きな差があるため、メニューを考えるのは、毎回難しいと話す。練習の様子を見たり、指導する部員の意見も取り入れながら、チームを変えたり、本人の希望も取り入れながら、臨機応変に対応する。

参加者は、初対面の人がほとんどで、みんなをつなげていくのは自分の役目だと責任も感じていたという。参加者同士が打ち解け、楽しめるように自分たちが一番楽しそうにしようと心がけている。教室の開催は大変だが、終った後の充実感や教室がきっかけで友達になり、一緒に帰っていく姿をみると、苦にならない。「参加者から『またやってね』といわれ、とても嬉しかった」と笑顔を見せる。「このバドミントン教室をきっかけに、地域の人々がチームをつくったり、バドミントンの活性化につながってほしい」と語った。

PROFILE

吉野雄太さん

桐光学園高等学校(神奈川県)卒業。体育会バドミントン部所属。小学校1年生から父の影響でバドミントンを始める。得意種目はシングルス。団体戦での関西リーグ優勝、インカレベスト8以上を目標に日々練習に励む。趣味はスノーボード。

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