2018年8月に行われたLINE株式会社インターンシップビジネス企画コースのビジネスコンテストで、多田さんは、スマホを利用し個人をスコアリングすることにより誰でも簡単にキャッシュの前払いサービスを受けることができる仕組みを考え、“特別賞”を受賞。審査員より、「未来を予見しているような提案だった。プロトタイプや紙ベースの資料を持参しており、いいプレゼンだった」と評価された。

過去の経験を生かして受賞

日頃から、あらゆる会社の社長と会うために講演会やイベントへ足を運ぶことに労力を惜しまず、ニュースサイトや本でも海外の流行や新しいサービスに関する情報を徹底的に調べ、それらで得た知識を頭の中で組み合わせることで今回のアイディアが浮かんだという。そして、今の自分の力がどれだけ通用するのかを試したいという動機から、LINE株式会社のインターンシップビジネス企画コースのビジネスコンテストに応募した。

雑貨の物販をするプロジェクトを企画、運営した経験がある多田さん。その経験から、現実に沿った、またあらゆる視点を持った提案ができるようになったと話す。また、プロトタイプや資料の作成などによりプランを的確に伝える手法も学んだそう。他にも、プレゼン力を磨くために大学の授業でも積極的に発表したり、アイディアの根拠のため、アンケートの集計結果をつけるなどの工夫を、普段から意識して行った。コンテストは個人での応募だったが、最終選考では他大学の学生とチームを組み3人1組での発表となったことから、チーム内のコミュニケーションも重視した。過去にアントレプレナーシップ教育の一環で、オックスフォード大学でビジネスに関する発表をした際、チームの関係づくりが不十分だったことが原因で失敗に終わった経験をしたためだ。今回は、チームのメンバーが何を考えているのかを考え、目標を常に明確に持つことを意識しながら取り組んだという。今回の受賞は、これまでの努力と反省が実を結んだからだといえるだろう。

活躍の場を広げ、挑戦し続ける

多田さんは、立命館大学グッズプロジェクトの運営もしている。皆から愛される立命館大学のキャラクターを創出しグッズ化することを目的とするグッズプロジェクトは、より親しみやすいキャラクターを作るため、教員、職員、OB、学生の四者で協議を進めている。自身はデザインの提案やSNSを通じた広報活動を行うとともに、他の学生たちもプロジェクトに巻き込みたいと考え、みんなが専門知識を学べる講座の企画などを行っている。「非凡な経験こそがその人の今後のキャリアやスキルに影響していくと思います」と貪欲に語る多田さんは、現在起業に挑戦しており、年内には登記を完了させる予定だ。あらゆる挑戦を続ける彼に、今後も目が離せない。

PROFILE

多田宙史さん

愛知県立安城東高等学校(愛知県)卒業。小学2年生からボーイスカウトを始め、現在も所属している。大学では生協学生委員会に所属。趣味は読書で、飲み会とラーメンが好き。0658で服を買うことが多く、音楽はロックバンドのa crowd of rebellionをよく聴く。

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