今月7日、第16回京都学生祭典が行われた。京都学生祭典(以下、祭典)とは、京都の大学生が実行委員となり企画運営を行い、企業・大学・行政・地域と連携しながら京都の魅力を発信し盛り上げる大規模イベントで、毎年10月に開催されている。今年の祭典の実行委員長を務めた稲垣さんは、周年事業などが行われ節目の15回目を迎えた昨年に対し、今年は次の20回、30回目に向けて盛り上がりを増していかなければならないと考えていた。そこで今年の祭典の目標来場者数を昨年の13万6千人を超える15万人に設定し、目標を達成すべく「1カ月前フェスティバル」という名のプレイベントを企画した。


このイベントの見所は大きく分けて2つ。1つめは寺町京極商店街で行われたフラッシュモブパレード。狐面をかぶったスーツ姿の学生50人が並んで歩き、突然音楽が流れ始める。祭典の赤いスタッフTシャツに衣装チェンジ後、祭典のオリジナル創作おどり「京炎 そでふれ!」の簡単バージョンを踊ることで観光客や通行客の目を引いた。2つめは、京都国際マンガミュージアムでのイベント。かつて祭典の音楽コンテストで優勝したQyotoによるステージイベントの開催や、子供たちが自由に参加できる工作コーナーを設け、「京炎 そでふれ!」のステージ体験などを行うことで祭典の周知を図った。

自分を省みることを忘れず、強い責任感で組織をまとめる

「なるべく多くの人の目に留まり、目立つことがしたいと思いパレードを提案しました」と話す稲垣さん。学生のパレードを受け入れてくれるところは少なく、過去にパレードをしていた商店街を自分たちで探したり、時には警察へ相談に行くなどしながら、会場を決めたそう。プレイベントの開催時期についても準備スケジュールの点においてスタッフ間で意見が割れることもあったが、1回3時間の会議を週2回実施し、意見を出し合うことで"みんなで決める"という意識をもち取り組むことができたという。また、稲垣さんは「祭典の全ての責任は自分にある」と考え、各部課が進めている案件の進捗を把握・確認するため、メーリングリストのチェックはできるかぎりこまめに行った。もし自分以外の誰かが失敗をしたとしても、必ず自分に問題がなかったかを考え、自省することを忘れず実行委員長を務めてきたと話す。

熱い思いを未来へ

祭典は、京都三大祭りと合わせて、京都四大祭りに数えられることを目指している。 "きょうをつなぐ"をテーマに行われた今年の来場者数は昨年を大きく上回る15万4千人という結果に終わった。目標としていた15万人を達成でき、また来年へと学生祭典をつなぐことができた喜びに涙を流したという。「京都学生祭典は、京都から必要とされなければならず、京都の方々に愛されるお祭りになるためには、自分たちが愛される存在になる必要があると考えています」と語る彼女は、祭典の活動のほかに、地域のお祭りや清掃活動などにも積極的に参加している。京都の魅力と京都の学生の活躍を伝えるべく、活動に邁進する彼女の背中を見た学生たちが、きっと次世代へと思いをつないでいってくれることだろう。

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