「大学ではアマチュア大会での優勝を目標にしていたのでとても嬉しかったです」
5月15日(日)、東京都千代田区で行われた第45回全国支部将棋対抗戦個人戦(以下:支部名人戦)の東西決戦において、将棋研究会の長森優作さんが初優勝を果たし、自身初のタイトルを手に入れた。支部名人戦は、6大アマチュアの大会の一つで、都道府県大会から始まり、西(東)日本大会、東西決戦と続く。長森さんは3年連続の出場で、過去2回は西日本大会のトーナメントで敗れていただけに、今回の優勝は喜びもひとしおだ。

単純に将棋を指すことが楽しい

父親から将棋を教わった長森さん。五歳になった頃にはルールを覚え、小学一年に将棋教室に通い、三年生では父親を負かすほどの力になっていた。中学一年のとき、プロを養成する関西奨励会に入会するが高校一年生で退会へ。「勝つことに拘り続ける厳しいプロへの道に悩みました。純粋に将棋を楽しめなくなり、大会に出たくないと思うようになっていたので、辛かったです。」と当時を振り返る。その後、周りの支えもあってアマチュアの大会で将棋の世界に復帰し、数々の全国大会で成績を残していった。

立命館大学入学後は将棋研究会(以下:研究会)に所属。レベルの高い部員との対局は刺激となりモチベーションの維持にも繋がっている。彼の練習スタイルは、とにかく将棋を指すこと。将棋と関わっている時間は一日10時間以上に及び、自宅でテレビを見ることはほとんどないという。部員との対局やオンラインの対局、アプリの対局など、一日平均30~40局、多いときには100局以上も指している。まさに将棋漬けの日々だ。「研究会では、将棋を通じた交友関係が広がりました。仲間からは感想戦(戦い終わった2人が指した将棋を検討すること)で、自分が気づかなかった手を指摘してくれるので、とても勉強になります。強い相手と将棋をするだけで強くなっていきます。」強い相手に対しては、目の前の戦いに勝つために相手の打ち手を予測して自分の手を考えることと、どんな将棋を指すのかを吸収することを同時に行っているそうだ。相手が指した手を全て記憶する力があるので、帰宅後パソコンのソフトに入力して敗因を分析している。

長森さんは、今回の支部名人戦で六段に昇格し、研究会内唯一の六段保有者となった。対局中はほとんど緊張しない長森さんだが、大会で負けると落ち込んでしまう一面もあるという。悔しい気持ちや必ず勝ちたいという思いが、次の対局へエネルギーになるようだ。「僕にとって将棋はかけがえのない存在」と語る長森さん。今後の目標は他のアマチュア大会のタイトル獲得と、研究会では未だかつてない在学中の七段昇進だ。今秋にはアマ名人戦が控えている。長森さんの盤上の物語、今後の展開が楽しみだ。

PROFILE

長森優作さん

甲南高等学校(兵庫県)卒業。
2012年・2013年、高校将棋選手権優勝
2013年、全国高校将棋竜王戦優勝
2016年5月、第45回全国支部将棋対抗戦個人戦優勝
2016年5月、第38全国アマ将棋レーティング選手権優勝

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