8月1日、京都駅周辺でお揃いのTシャツを着た学生約700人が清掃活動を行った。彼らは体育会本部の呼びかけに集まった体育会所属の42団体の学生たち。初めての試みで、計画当初、150人~200人の参加と考えていたが、西井さんや本部のメンバーたちの熱い呼びかけに集まったのは予定を大きく越えた728人。これはメンバーたちにとって嬉しい驚きだった。

「感謝」の気持ちを伝え、より「一体感」を高める機会に

体育会本部は体育会全体の「一体感」を高め、「感謝」「発信」をテーマに活動しており、体育会の学生たちから地域への貢献に清掃活動をしたいという多くの声を聞き、本部のメンバーたちは今年4月から準備を始めた。各クラブへ参加の呼びかけを数回にわたり行い、企業から軍手やゴミ袋の提供を受けた。西井さんは企業とのやりとりや京都市の環境担当との打ち合わせなど、外部との調整役。増えていく参加者への対応、企業との調整が大変だったが、参加の呼びかけに、「しっかり全員つれていくよ」という各クラブからの積極的な声はとても嬉しかったという。参加者が増える喜びもあったが、京都駅周辺の人通りが多く活動が逆に迷惑になるのではないかという心配も生まれた。しかしそれは杞憂に終わる。本部からの呼びかけをするまでもなく、通行の邪魔にならないようにきちんと並び、マナーを守る参加者の姿を目にして、逆に誇らしく思った。

清掃活動において大切にしていたのが、感謝の気持ちを発信すると同時に体育会全体の一体感を高めること。そのため、学生のデザインでお揃いのTシャツを作成した。また、体育会の中で新しいつながりを作れるよう、いろいろなクラブの学生と一緒になるようにグループ分けした。1時間という短い時間の中でも、今後切磋琢磨していけるような新たな仲間づくりの機会となり、体育会としての結束を強める機会となった。

体育会の仲間たちを支える熱い思い

体育会本部の委員長である西井さんは、アメリカンフットボール部のマネージャーを務めているため、本部の活動とクラブの活動に加え学業の両立は簡単ではない。きついことも多いが、クラブや本部、体育会の他のクラブの多くの仲間に支えられているという。体育会本部は53人、体育会は約2800人にもなるため、「説明するときはいかに論理的に話せるか、人に動いてほしい時にはいかに熱意をもって話せるか。大人数をまとめていくためにはこのバランスが重要だ」と話す。今後は、試合の集客や情報発信、各クラブのサポートなど、選手が悔いのないよう競技に取り組める環境づくりに力をいれていきたいという。そして、「今ある環境や境遇が当たり前ではなく、さまざまな人の支えや整った環境があって、自分たちはスポーツに打ち込めていること、感謝の気持ちを忘れないよう呼びかけていきたい」と力強く語った。活躍する選手たちの裏には、彼らを支える体育会本部の存在がある。これから、本部の熱いサポートを受け、一体となって競技に打ち込む体育会の学生たちの活躍を楽しみにしたい。

PROFILE

西井克将さん

京都外大西高等学校(京都府)卒業。
高校では野球に打ち込み、大学入学後は、アメリカンフットボール部のマネージャーとして選手たちを支え、2016年2月より体育会本部の委員長としても活動している。 3回生からは宮内肇准教授ゼミに所属し、「中国の大学生や就職の実態」について研究している。

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