10月30日、多賀町で行われた「いきいきライフ体験塾」にて町民の方に下肢の筋肉量を測るためのサルコペニアチェックを行う学生の姿があった。学生団体「ヘルスポ+R」の代表を務める堀江航さんとそのメンバーの学生たちだ。「ヘルスポ+R」は、「一人でも多くの人に健康を届ける」ことを目標に、学部での学びや外部のセミナーで得た知識をもとに、健康教室などで健康に関する情報を発信しようと活動を行っている。

学内での活動から学外へ活動の場を広げたい

体力測定などに興味があった堀江さんは、昨年先輩に誘われ、ヘルスポ+Rが主催した立命館大学のキャリアセンターの職員への体力測定や運動指導に参加し、それをきっかけにメンバーになった。昨年の沖縄研修の際、名桜大学のスポーツ健康学科の学生とともに高齢者施設で体力測定や運動指導を行った。高齢者の方々の「アドバイスをもらえて嬉しい」という声を聞いた。とてもやりがいを感じた堀江さんは、「もっと一般の方に対して健康チェックを行い、運動指導をすることで、より健康になってもらいたい」と思い、学内だけでなく、学外での活動を意識するようになった。

今年、堀江さんはヘルスポ+Rの代表となり、学外への発信に取り組むことにした。真田先生の紹介で、近畿健康管理センターの方と合同で活動することとなり、営業にも同行し、ヘルスポ+Rの活動について説明など行った。

多賀町での「いきいきライフ体験塾」では、骨密度を測定する近畿健康管理センターの方々の隣で、45名の方に身長・体重・腹囲・握力・2ステップテスト(歩幅の測定)・椅子立ち上がりテスト2種類(下肢筋量の測定)を行った。測定結果をもとに骨格筋指数を数値で出し、サルコペニア(※)、サルコペニア予備軍、健常者のどの枠に当てはまるか示した。これらデータと生活習慣や運動習慣のヒアリング結果から、歩き方の指導や運動についてアドバイスした。高齢者の方はチェックを行う際にはついがんばりすぎてしまうことから、椅子を使ったテストでは椅子が動かないよう、壁際に椅子を寄せたり、股関節を広げすぎたりしないよう「8割くらいの力で」と声をかけ、無理することのないように意識していたという。また、専門的な言葉は使わずわかりやすく説明し、笑顔で接することで、コミュニケーションを図った。「どんな歩き方がよいのか」「普段運動しているのに」といったさまざまな声に対して、「これまで学んできたことを生かし、根拠を示して説明することで自分たちのアドバイスに納得してくれた」と笑顔で話す。
※ 加齢とともに筋肉量が減少する現象

近畿健康管理センターと共同で活動することで、学外に活動の場を広げることができたヘルスポ+Rは、「もっと多くの地域でも活動していきたい」とさらなる展開を考えている。より地域の方の健康に貢献するため、まず来月には南草津で行われるみなくさまつりや他の地域でもサルコペニアチェックを行う予定だ。

PROFILE

堀江 航さん

大阪府立和泉高等学校(大阪府)卒業。
真田ゼミに所属し、サルコペニアや生活習慣病改善の運動について研究を行っている。小学2年生から野球に打ち込み、大学では軟式野球サークルで野球を続けている。11月に実施される健康運動指導士の資格取得に向け、ヘルスポのメンバーとともに勉強に励んでいる。

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